Mitchell & Son
アイルランド ・ 1805年創業
1805年、ウィリアム・ミッチェルがダブリンのグラフトン・ストリートでパン・菓子商として創業し、1887年に近くのキルデア・ストリートでワイン・スピリッツ業へ進出したワインマーチャント。自社蒸留所は持たず、近隣ジェムソンのボウ・ストリート蒸留所の原酒を、フィッツウィリアム・レーンの地下でシェリー樽を用いて熟成させるボンダーとして知られた。熟成年数ごとに樽へ色付きの点(spot)を塗り分けた慣習が「スポット」ブランドの由来で、7年=ブルー、10年=グリーン、12年=イエロー、15年=レッドとされる。現在はアイリッシュ・ディスティラーズと組み、グリーン/イエロー/レッド/ブルー・スポットのシングルポットスチルを展開する、アイリッシュ最古参のボトラーズの一つ。
ミッチェル&サンは、1805年、ウィリアム・ヘンリー・ミッチェルがイングランド北部からアイルランドへ移り、ダブリン中心部にティールームを開いたことに始まる。ミッチェルは、かつて英国王ジョージ3世の宮廷でペストリー・シェフを務めた人物だった。
1887年、事業はダブリンのキルデア通りでワイン・スピリッツ商へと拡大した。当時ワインは樽で輸入されており、空いたシェリー樽——とりわけシェリー樽——はウイスキー熟成用に重宝された。ミッチェル&サンは、豊富に持つ空のシェリー樽を、ボウ・ストリートのジェムソン蒸留所へ送ってポットスティル・ウイスキーを詰めてもらい、これを自社で熟成・販売する事業を始めた。樽の蓋に色つきの塗料で印をつける独自の管理法から、青(7年)・緑(10年)・黄(12年)・赤(15年)という「スポット・ウイスキー」シリーズが生まれた。
このうち、10年熟成の「グリーンスポット」が最も人気を博し、現在まで途切れることなく生産が続く唯一のスポット・ウイスキーとなった。
現在もダブリンを拠点に、スポット・ウイスキー・シリーズを展開するワイン商として事業を続けている。