元ジャックダニエルの樽工場、9月に閉鎖へ ウイスキー減速が川上に波及
米アラバマ州の樽工場アラバマ・クーパレッジが2026年9月14日に閉鎖されることが分かった。ジャックダニエル向けの樽を供給してきた工場で、71人が影響を受ける。ウイスキー市場の減速が樽産業にまで及んでいる。
米アラバマ州トリニティで操業する樽工場アラバマ・クーパレッジが、2026年9月14日をもって閉鎖されることが分かった。従業員71人が影響を受ける。米国のWARN法(大量解雇の事前通知を義務づける法律)に基づき州の雇用当局へ提出された届け出から明らかになった。
「元ジャックダニエルの樽工場」だった
この工場はもともとブラウン=フォーマンが所有し、ジャックダニエル向けの樽を供給していた施設だ。2024年2月に樽メーカー大手インディペンデント・ステーブ・カンパニー(ISC)への売却が発表され、同年5月1日付で完了する見込みと発表された。当時は樽の供給を継続する戦略的パートナーシップとして説明されている。その2年余り後に、工場そのものが畳まれることになる。
背景にある逆風
ISCは市場の需要に生産量を合わせるための調整と説明しているが、背景には米国産ウイスキーを取り巻く通商環境がある。米国の関税措置への対抗として、カナダは2025年3月に米国産スピリッツを店頭から撤去。ブラウン=フォーマンのカナダ売上は四半期ベースで約6割落ち込んだと報じられた。ISC自身も2025年8月にケンタッキーの樽工場で112人の削減を届け出ており(実施は同年10月から)、今回が初めての縮小ではない。
注目すべきは、影響の出方だ。蒸留所の販売不振は、樽・木材・輸送といった川上の産業へ時間差で波及する。樽工場の閉鎖は、その連鎖が実体として現れた例といえる。
日本の飲み手にとっての意味
日本の売り場でジャックダニエルが品薄になるという話ではない。

ただ、樽はウイスキーの味の大部分を決める器であり、その供給網が細ることは数年後の原酒在庫や樽の質に効いてくる。今日の棚ではなく、数年先の1本に関わる話として押さえておきたい。ブランドの詳細はジャック・ダニエル、企業の全体像はブラウン=フォーマンのページで確認できる。
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