イアン・マクロード、生産3割減の直後に希少樽の直販部門
グレンゴインとローズバンクの年間生産量を約30%減らした同社が、7月24日にコレクター・投資家向けの部門を新設した。1960年代のタムデュー、1993年の閉鎖前に詰められたローズバンクなどを直接売る。
グレンゴインやタムデュー、ローズバンクを持つイアン・マクロード・ディスティラーズが2026年7月24日、コレクターと投資家に向けたプライベートクライアント部門を立ち上げた。蒸留所のオーナー自身が、希少な樽や限定ボトルを仲介を挟まずに売る形になる。
何を売るのか
用意されるのは、1960年代のタムデューのシェリー樽、1993年の閉鎖前に詰められたローズバンクの残り、1970年代以降のグレンゴインのバーボン樽・シェリー樽、そして2026年4月に動き出したアイラのラガンベイ蒸留所のニューメイク樽など。責任者は在籍8年のウィリアム・オーヴンズ氏、ディレクターは在籍23年のスチュアート・ヘンドリー氏が務める。
減産とセットで読む
タイミングが示唆的だ。2026年6月25日に英登記所へ提出された2025年9月期の決算では、需要見通しの低下を理由に、グレンゴインとローズバンクの年間生産量を約30%削減したことが明らかになっている。同期の売上高は1億1,800万ポンド(前期1億2,830万ポンド)で約8%減、営業利益は1,680万ポンド(前期2,230万ポンド)、税引後利益は546万ポンドと53%減った。タムデューの生産は水準を維持している。スコッチウイスキー協会によれば、2025年のスコッチ輸出は金額で1.8%減の53億ポンド、数量で4.3%減だった。
つまり、新たに造る量は絞りつつ、既に長く寝ている在庫を単価の高い売り方へ寄せている。減産は将来の供給を細らせる判断だが、いま倉庫にある1960年代や1970年代の樽は、あとから増やせない資産でもある。1993年に閉じたローズバンクは近年復活したものの、2024年6月に開いたビジターセンターは来場者が想定に届かず、2025年9月には約20人の削減が発表された。稼ぐ場所を作り直している最中と見るのが妥当だろう。

日本ではグレンゴインもタムデューも定番が手に入り、価格帯としては現実的な部類だ。樽単位の話とは別に、まずはボトルで各蒸留所の輪郭をつかめる。会社の全体像はイアン・マクロード・ディスティラーズ、銘柄はグレンゴイン、タムデュー、ローズバンクのページにまとめている。
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