
WHY THIS TASTE
3回蒸留・ノンピートのヘーゼルバーン原酒を、バーボン樽のみで10年熟成させた一本。46度、ノンチルフィルター・無着色。麦芽にピートを一切焚かないため、スプリングバンク名義(12〜15ppm)やロングロウ(50〜55ppm)のような煙は出ず、3回蒸留で軽く澄んだ酒質にバーボン樽のバニラとクリームの甘みがそのまま乗る。同じ蒸留所が造り分ける3系統のうち、最も穏やかで入口になりやすい位置づけ。

この味を生む蒸留所
スプリングバンク蒸留所スコットランド、キャンベルタウンに立つ、同地に残る数少ない蒸留所の一つである。1828年に免許を得て、レイド兄弟が創業。1837年にジョン&ウィリアム・ミッチェル兄弟が取得し、以来ミッチェル家がJ&Aミッチェル社として今も一族経営を続ける。最大の特徴は、大麦の製麦から瓶詰めまで、ウイスキー造りの全工程を自社の敷地内で行うスコットランド唯一の蒸留所である点だ。1992年にはフロアモルティングを復活させた。造る原酒は3種——2.5回蒸留のミディアム・ピート『スプリングバンク』、2回蒸留のヘビー・ピート『ロングロウ』、3回蒸留のライト・ピート『ヘーゼルバーン』。手仕事を貫く、キャンベルタウンの至宝だ。
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ヘーゼルバーンHazelburn
キャンベルタウンのスプリングバンド蒸溜所が1997年から手がける三回蒸留・ノンピートのシングルモルト。同蒸溜所生産量の1割をヘーゼルバーンに、1割を重ピートの「ロングロウ」に、残り8割を「スプリングバンク」に振り分けて造り分けている。名は1925年に閉鎖された旧ヘーゼルバーン蒸溜所に由来。2005年に初の8年熟成版が発売された。運営元J&Aミッチェル社は1897年創業、独立瓶詰め会社ケイデンヘッドも保有する。
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大麦の製麦から瓶詰めまで、全工程を一つの敷地で貫くスコットランド唯一の蒸留所スプリングバンク。効率化に背を向けた手仕事と、一つ屋根から生まれる三つの個性が、世界の愛好家を虜にする理由を読み解く。

19世紀、30を超える蒸溜所がひしめき「世界のウイスキー首都」と呼ばれたキャンベルタウン。なぜ町は没落し、わずか3蒸溜所で「聖地」として甦ったのか。竹鶴政孝も学んだ港町の栄光と復活の100年を辿る。

ラベルに刷られる「3回蒸留」と、多くのスコッチが選ぶ「2回蒸留」。蒸留を1回増やすと酒は何が変わるのか。2回が基本の理由から、スプリングバンクの2.5回・モートラックの2.81回という中間の妙まで、蒸留回数に込められた設計思想を読み解く。