
WHY THIS TASTE
重ピート・2回蒸留のロングロウ原酒を、年数非表記で瓶詰めしたコア表現。麦芽のフェノール値は50〜55ppmで、スプリングバンク名義の12〜15ppmに対して4倍前後に達する。熟成はバーボン樽とシェリー樽の組み合わせだが、公式は比率を開示していない。46度、ノンチルフィルター・無着色。2回蒸留ゆえにアルコールの分離が浅く、煙とオイリーで重い口当たりが前に出る一方、シェリー樽由来の甘みが後ろから支える構成になっている。

この味を生む蒸留所
スプリングバンク蒸留所スコットランド、キャンベルタウンに立つ、同地に残る数少ない蒸留所の一つである。1828年に免許を得て、レイド兄弟が創業。1837年にジョン&ウィリアム・ミッチェル兄弟が取得し、以来ミッチェル家がJ&Aミッチェル社として今も一族経営を続ける。最大の特徴は、大麦の製麦から瓶詰めまで、ウイスキー造りの全工程を自社の敷地内で行うスコットランド唯一の蒸留所である点だ。1992年にはフロアモルティングを復活させた。造る原酒は3種——2.5回蒸留のミディアム・ピート『スプリングバンク』、2回蒸留のヘビー・ピート『ロングロウ』、3回蒸留のライト・ピート『ヘーゼルバーン』。手仕事を貫く、キャンベルタウンの至宝だ。
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ロングロウLongrow
スコットランド・キャンベルタウンのスプリングバンク蒸溜所が手がけるヘビーピーテッドな銘柄。1973年に生産開始。銘柄名はかつてキャンベルタウンに存在した蒸溜所に由来する。麦芽をピート香約50ppmまで焚き込み2回蒸溜、主にバーボン樽で熟成する。力強いスモーキーさとクリーミーな甘み、コーヒーや潮の香りを感じさせる長い余韻が特徴で、スプリングバンクの中でも個性の強い一本として知られる。
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棚に並ぶボトル名と、それを造った蒸溜所の名前は、しばしば一致しない。商標を他人に握られていた、似た銘柄が先にいた、中身が単一蒸溜所ではない——キルケラン、アンノック、アマハガンなどの実例で、名前がズレる5つの理由をたどる。

スコッチ最小の産地キャンベルタウン。3軒の蒸溜所から5つの銘柄が出る理由、産地らしい味の特徴、入手性を踏まえた最初の一本の選び方までを解説します。

大麦の製麦から瓶詰めまで、全工程を一つの敷地で貫くスコットランド唯一の蒸留所スプリングバンク。効率化に背を向けた手仕事と、一つ屋根から生まれる三つの個性が、世界の愛好家を虜にする理由を読み解く。