
WHY THIS TASTE
アメリカンオークのバーボン樽で15年熟成、46度。10年以上コアレンジから姿を消していたが、2026年6月末に定番として復帰した。10年より5年長い熟成でピートスモークの角が丸くなり、煙は残しつつ全体が整うのがこのボトルの役割。よく熟れたオレンジやグレープフルーツの柑橘、干し草のような土っぽさ、バニラとクローブが、バーベキュー的な燻香の奥から立ち上がる。

この味を生む蒸留所
ラフロイグ蒸留所「好きか、嫌いか」——ラフロイグほど意見を二分するモルトはない。1815年、アレックスとドナルドのジョンストン兄弟が創業。キルブライド貯水池から引くピートを通った水が、ヨード、海藻、そして正露丸と評される強烈な薬品香の源となる。いまも一部にフロアモルティング(自家製の床式製麦)を守り、島のピートを自ら焚く姿勢が、その揺るぎない個性を支えている。英国王室の御用達(かつてのチャールズ皇太子が愛したことで知られる)という格式を持ちながら、味わいはどこまでも野趣に満ちる。潮としぶきをそのまま舐めるような一杯は、初心者を突き放し、愛好家を離さない。現在はビーム サントリーの傘下。アイラの薬品香を語るとき、その中心には常にこの名がある。
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ラフロイグLaphroaig
スコットランド・アイラ島南岸に位置する蒸溜所のシングルモルト。1815年、ジョンストン兄弟により創業。医薬品的とも評される強烈なピート香とヨードやスモークの風味が特徴で、アイラモルトの中でも個性が際立つ。1994年には英国皇太子の御用達(ロイヤルワラント)を受けた。現在はサントリーグループ傘下で製造される。
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三か月のつもりでアイラ島へ渡った臨時タイピストが、雇い主の遺言で蒸溜所の会社を受け取った。戦時は弾薬庫を守り、のちに業界の広報役として北米を回り、そして自ら株を手放したベッシー・ウィリアムソン。20世紀のスコッチで「唯一」とも「初」とも紹介される女性蒸溜所主の38年をたどる。

「正露丸」と評されるほど個性的なラフロイグが、なぜ英国王室御用達なのか。禁酒法を"薬"として生き延びた逸話、タイピストから蒸溜所主になった女性、チャールズ皇太子の飛行機事故——愛される理由を物語でたどる。

「正露丸」とも評される個性派、アイラの雄ラフロイグ。セレクト・10年・クォーターカスク・トリプルウッド・ロア・15年・18年——樽づかいと度数を軸に、味の違いと最初の一本、飲み方までを整理します。

同じスコットランドの麦の酒なのに、片や煙と潮、片や花と果実。個性が正反対に振れるアイラとスペイサイド。両者の違いを土地・製法・歴史の3つの角度から読み解き、「どちらから飲むか」の目安まで整理する。