
WHY THIS TASTE
かつてダブリンにあったジョンズ・レーン蒸留所へのオマージュとして復刻された、12年熟成のシングルポットスチル。原酒の一部を2番・3番使用のアメリカンオーク樽で、残りをオロロソシェリー樽で熟成させ、46度で瓶詰めする。ブレンデッドであるゴールドラベルと違い100%ポットスチルで、オイリーな厚みとシェリー由来のドライフルーツがはっきり出る。

この味を生む蒸留所
ミドルトン蒸留所アイルランド南部コーク県ミドルトンに立つ、国内最大のウイスキー蒸留所である。1825年、マーフィー兄弟が旧毛織物工場を蒸留所へ改装したのが起源。1966年、ジョン・ジェムソン、ジョン・パワーズ、コーク・ディスティラーズの3社がアイリッシュ・ディスティラーズとして統合し、旧施設を閉じてミドルトンに集約する道を選んだ。1975年に新ミドルトン蒸留所が稼働し、ジェムソン、パワーズ、レッドブレスト、グリーンスポットなどが今やここで生まれる。アイルランド固有のシングルポットスチル製法——麦芽と未発芽大麦を合わせ、銅のポットスチルで3回蒸留する——の総本山であり、なめらかでスパイシーな独特の酒質を世界に届ける聖地だ。
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パワーズPowers
1791年、ダブリンの宿屋の主人ジェームズ・パワーが創業。1967年にシングルポットスチルからブレンドへと再編され、ポットスチルウイスキー7割・グレーンウイスキー3割という構成に。ジェムソンと同じくミドルトン蒸留所の単一拠点内で全原酒がまかなわれ、より力強くスパイシーな個性を保つ「通好み」の一本として親しまれている。
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1875年6月18日、ダブリンの下町リバティーズで約5,000樽の酒が燃えた。ミル通りの片側では幅60センチの火の川が400メートル以上続き、13人が命を落とす。だが誰一人、炎で死んだのではなかった。

アイルランドだけの造り「シングルポットスチル」を代表するレッドブレスト。一度は姿を消しながら甦ったこの銘柄が、なぜ愛好家に「王」と慕われるのか。造りと歴史からひもとく。