米国、英国産ウイスキーの関税をゼロに 7月24日発効
米通商代表部が7月23日に発表し、24日午前0時1分(米東部時間)に発効した。スコッチをはじめとする英国産ウイスキーは2025年4月からかかっていた10%の追加関税を免れ、無税に戻る。最大市場での価格競争力が回復する。
米通商代表部(USTR)が2026年7月23日、スコッチをはじめとする英国産ウイスキーを追加関税の対象外にすると発表した。米東部時間の7月24日午前0時1分に発効し、税率はゼロに戻っている。
何が変わったのか
対象は米国の関税分類(HTSUS)2208.30.30と2208.30.60に属するウイスキーで、スコットランド産だけでなくイングランド、ウェールズ、北アイルランドで造られたものも含まれる。英国産ウイスキーには2025年4月から10%の追加関税がかかっていた。今回は通商法301条にもとづく広範な措置のなかで、この区分だけを除外する形をとっている。英国政府とスコットランド政府は、2026年4月に結ばれた米英の経済協定にもとづく約束の履行であり、同月のチャールズ国王による国賓訪米のあとに決まったと説明している。
1年3か月分の重み
スコッチウイスキー協会によれば、米国は2025年の輸出額が9億3,300万ポンドと、金額ベースで最大のスコッチ市場にあたる。関税下にあった2025年5月から12月にかけては、対米輸出が数量で15%、金額で7%落ち込んだと報じられている。同協会のイアン・ダディ国際ディレクターは、関税の撤廃が投資や輸出拡大への自信につながると述べた。スコットランド政府のジョン・スウィニー首相は、今回実現した状態を「ゼロ・フォー・ゼロ」と表現している。英政府はスコットランドの4万1,000人、英国全体でさらに2万5,000人の雇用に触れた。
日本の読者にとって
日本の店頭価格が下がる話ではない。効いてくるのは供給側だ。この1年余り、スコッチ業界は減産や生産の一時停止、人員削減を重ねてきた。7月にはグレングラッソーが定番に15年を加えた一方で、イアン・マクロードは主力2蒸留所の生産を約3割減らしている。最大市場の関税が消えることは、この縮小圧力を和らげ、限定品の配分や設備投資の判断にじわりと効く。7月15日に発効した英印FTAによる対インド関税の引き下げと合わせると、スコッチは10日足らずのあいだに巨大市場の入口を2つ開けたことになる。
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