
WHY THIS TASTE
ブッカー・ノウが自宅用に汲んでいた無加水・無濾過の原酒を、そのまま製品化した一本。9階建て熟成庫の中央階(5〜6階)という温度と湿度の変化が大きい区画で6〜8年寝かせた樽を選び、加水も冷却濾過もせずに瓶詰めする。度数はバッチごとに変わり、おおむね63度前後の高さ。濾過しないぶん香味成分が残り、バニラとオークの甘苦さ、強いスパイスが密度高く出る。バッチ名と熟成期間はラベルに明記される。

この味を生む蒸留所
ジムビーム蒸留所ケンタッキー州クラーモント、世界で最も売れるバーボンを生み出す「バーボンの第一家族」ビーム家の本拠である。18世紀末にドイツから移住したベーム家のヤコブ・ビームが1795年頃に最初の樽を売り、以来7代にわたり一族が造りを受け継いできた。1933年の禁酒法撤廃後、ジム・ビームは70歳で独自の酵母を再現し、わずか120日で蒸留所を再建した逸話で知られる。孫のブッカー・ノエは40年以上マスターディスティラーを務め、1987年に世界初のスモールバッチ「ブッカーズ」を世に問うた。コーン主体のマッシュビルと、禁酒法以前から守られる一族の酵母が、甘くまろやかで飲みやすい定番の味を支える。今日ではビーム サントリーのもと、世界中で愛される揺るぎない看板であり続けている。
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ブッカーズBooker's
ジム・ビームの6代目マスターディスティラー、ブッカー・ノーが1988年に発売したバーボン。樽出しのまま加水も濾過もせず瓶詰めする手法を「スモールバッチ」と称した先駆けで、その言葉自体もノーが生み出したとされる。6〜8年熟成、アルコール度数はビームのスモールバッチ・コレクション中最も高い。現在はサントリーグローバルスピリッツ傘下ジム・ビーム蒸溜所で製造されている。
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60度を超え、ボトルごとに度数が違うバーボン「ブッカーズ」。始まりは、ジム・ビームの孫ブッカー・ノーが親しい人に配っていたクリスマスの贈り物だった。熟成庫の「真ん中の樽」を選ぶ理由、2016年の値上げ騒動、数滴の水から始める飲み方まで。

1992年、ブッカー・ノーが世に出したノブクリーク。禁酒法明けの「若いバーボン」への反論として100プルーフ・9年熟成を掲げ、在庫難で外した年数表記を2020年に取り戻した。名前の由来と看板の数字の物語をたどる。

バーボンの作り手は、ひと口含むと口をもぐもぐ動かして唇を鳴らす。ジムビームのブッカー・ノーが広めた「ケンタッキー・チュー」だ。本人の理屈は否定された「舌の地図」に近いが、口全体に行き渡らせ香りを鼻へ戻す動きには、ちゃんと意味がある。

ウイスキーを人に送るとき、ビールやワインとは手続きが変わる。24度と70度という二本の線、伝票に書くべき事項、そしてウイスキーは海外へは郵便でも宅配便でも送れないという結論を、公式の案内と法令から確かめた。

同じ蒸溜所で同じ日に詰めた樽でも、熟成庫のどこに置かれたかで色も度数も味も変わる。上の階で度数が上がり下の階で下がる仕組み、中段の「ハニーバレル」、そして樽を動かす・平屋にする・そのまま瓶詰めするという造り手の三つの答えを追う。

「前に買ったときはもっと美味しかった気がする」。同じラベルの一本で起きるこの感覚を、造り手の側の事情(バッチ・樽・仕向地・年数表記)と、飲み手の側の条件(酸化・保存・グラス・体調)に切り分けて確かめる。
オールド・フォレスター 1920 プロヒビションスタイル
オールドフォレスター蒸留所
スパイシーとバニラ・カラメルの乗り方が近く、飲み口の印象が地続き。次の一杯にどうぞ。
ワイルドターキー 8年 ジミー・ラッセル70周年記念
ワイルドターキー蒸留所 ・ 8年
スパイシー・バニラ・カラメルのニュアンスが重なり、好みならすんなり馴染むはず。

ワイルドターキー 8年
ワイルドターキー蒸留所 ・ 8年
スパイシーとバニラ・カラメルが両立する味わいが共通項。並べて飲み比べても面白い。
ノブクリーク 9年 シングルバレルリザーブ(60度)
ジムビーム蒸留所 ・ 9年
同じ蒸留所で、バニラ・カラメルの効いた個性が共通。造りの近さを飲み比べたい一本。