
WHY THIS TASTE
2004年に再稼働したキャンベルタウンのグレンガイル蒸溜所が、12年熟成で定番に据える一本。麦芽のピートは12〜15ppmと軽めで、ファーストフィルのバーボン樽70%・シェリー樽30%で熟成させる。バーボン樽が主体になるぶん柑橘とハチミツの明るさが土台になり、そこへ軽い煙と潮の気配、シェリー樽由来のわずかな甘みが重なる。46度・ノンチルフィルター・無着色で、キャンベルタウンらしいオイリーな口当たりがそのまま残る。

この味を生む蒸留所
グレンガイル蒸留所スコットランド、キャンベルタウンに立つ蒸留所である。シングルモルト「キルケラン」を生む。1872年、ウィリアム・ミッチェルが創業したが、1923年に閉鎖され設備も撤去された。2004年、スプリングバンクを擁するJ&Aミッチェル社のヘドリー・ライトが、この歴史ある蒸留所を買い戻して再建。当時風前の灯だったキャンベルタウンに3つ目の稼働蒸留所を蘇らせ、同地を独立したウイスキー産地として守る決め手となった。同年3月25日に初のニューメイクが流れた。姉妹蒸留所スプリングバンクのフロアモルティングの麦芽を用い、生産チームと製造カレンダーを共有する。ボトルの銘柄名「キルケラン」は、蒸留所名グレンガイルと区別するための名だ。
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キルケランKilkerran
スコットランド・キャンベルタウンのグレンガイル蒸溜所が生み出すシングルモルト。同蒸溜所は1872年創業、1925年に閉鎖後、2000年にJ&Aミッチェル社(スプリングバンクの親会社)により復活した。隣接するスプリングバンク蒸溜所と生産チーム・時期を共有し、年間約3ヶ月のみ稼働する。標準品はピート値約15ppmで、キャンベルタウンらしい塩気とスモーキーさを併せ持つ味わいが特徴。
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19世紀に閉じた蒸溜所の設備や風景を、いま私たちが語れるのはなぜか。1885年から2年ほどをかけて連合王国じゅうの蒸溜所を訪ね歩き、160軒あまりを記録した男がいた。その本には、いまや「王」と呼ばれる蒸溜所がたった7行しか登場しない。

棚に並ぶボトル名と、それを造った蒸溜所の名前は、しばしば一致しない。商標を他人に握られていた、似た銘柄が先にいた、中身が単一蒸溜所ではない——キルケラン、アンノック、アマハガンなどの実例で、名前がズレる5つの理由をたどる。

スコッチ最小の産地キャンベルタウン。3軒の蒸溜所から5つの銘柄が出る理由、産地らしい味の特徴、入手性を踏まえた最初の一本の選び方までを解説します。

19世紀、30を超える蒸溜所がひしめき「世界のウイスキー首都」と呼ばれたキャンベルタウン。なぜ町は没落し、わずか3蒸溜所で「聖地」として甦ったのか。竹鶴政孝も学んだ港町の栄光と復活の100年を辿る。