
WHY THIS TASTE
グレーンウイスキー用に発明されたカフェ式連続式蒸溜機で造られる一本。2012年に欧州で先行発売、2013年6月に日本発売。宮城峡蒸溜所に移設されたカフェスチルで蒸溜し、アメリカンオーク樽で熟成。45度、原料由来の甘さが残るトロピカルフルーツやバニラのような華やかな香り。

この味を生む蒸留所
宮城峡蒸溜所宮城県仙台市、新川川と広瀬川の合流点近くに立つ、ニッカウヰスキー第2の蒸溜所である。1967年、竹鶴政孝が自ら訪れ、新川川の水でブラックニッカを試飲し、その水質を絶賛して即座に建設を決めた。1969年、わずか2年で完成した。この地は仙台市中心部から西へ約20km、二つの川がもたらす気温差で霧が発生しやすく、熟成にも適した環境だ。最大の特徴は、余市の石炭直火とは対照的な「スチーム間接加熱」。球形に近い、上向きに膨らんだポットスチルを用いる。この穏やかな加熱が、ソフトでフローラルな酒質を生む。余市の重厚さと対をなす、まろやかな日本ウイスキーの造り手だ。
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ニッカ カフェグレーンNikka Coffey Grain
1963年にスコットランドから輸入された、宮城峡蒸溜所のヴィンテージ・カフェ式連続式蒸留機で造られるシングルグレーン。トウモロコシ主体のもろみを低いリフラックスでじっくり蒸留することで、現代的な連続式蒸留機では失われがちな果実味やバターのような風味を残す、グレーンウイスキーの概念を覆す一本。
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日本を代表するグレーンウイスキー二本は、原料も蒸溜方式の大分類も同じで定価まで同額。それでも味が分かれるのは、もろみを何本の蒸溜塔に通すかが違うから。造りの違いと、2022年に知多が入れたカフェ式、度数・実勢価格・飲み分けまで整理する。

蒸留にまつわる「アルコール」「アランビック」「エリキシル」は、いずれもアラビア語由来。しかも al-kuḥl の原義はまぶたに引く黒い粉だった。酒を戒めた社会で薔薇水の道具として磨かれた蒸留器と、そこから受け継がれた言葉が、ウイスキーのグラスにたどり着くまで。

大麦はウイスキーにもウォッカにもなれる。それでも片方は琥珀色になり、片方は無色のまま棚に並ぶ。二つを分けているのは、蒸留をどこで止めるかという一線と、樽で過ごす3年だった。

同じサントリー、同じハイボール推し、同じ700ml。なのに希望小売価格は1,910円と6,000円(税別)で3倍以上開く。中身の区分とサントリー自身の値付けから差の正体をたどり、料理で決める選び分けまで。

クラフトジンの棚には、ウイスキーの造り手の名前が思いのほか多い。「熟成待ちの資金繰り」だけでは説明がつかない——日本でジンを出すには、別の免許をもう一枚取らねばならない。制度・設備・土地の三つの層から読み解く。

響や角瓶の味を土台で支えながら、40年以上も全国発売のラベルに名前が出なかった知多蒸溜所。2015年、その名を冠したシングルグレーン「知多」はどうして生まれ、なぜハイボールで愛されるのか。