
Japan
1923年、鳥井信治郎が山崎蒸溜所を開設したのが日本ウイスキーの始まり。技師として招かれた竹鶴政孝は後にニッカウヰスキーを設立し余市蒸溜所を開いた。スコッチの製法を土台にしながらも、繊細な水質と四季の寒暖差を生かした独自のスタイルを確立し、2000年代以降は国際コンペティションでの受賞を機に世界的な評価を得ている。
1918年、後に「日本ウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝がスコットランドのグラスゴー大学に留学し、現地の蒸留所を渡り歩いて製法を学んだのが日本ウイスキーの起点とされる。帰国後、鳥井信治郎が1923年に山崎蒸溜所を開設して国産第一号の製造を託した。もっとも1929年発売の初のウイスキー「白札」はスコッチに忠実な力強いスモーキーさが災いし、当時の日本人の嗜好には合わず不評だったという。この経験から鳥井は日本人の味覚に寄り添う軽やかなスタイルへと舵を切る一方、本格スコッチを追求したい竹鶴とは方向性の違いが表面化し、1934年に竹鶴は独立してニッカウヰスキーを設立、余市に蒸溜所を構えた。
南北に長い国土のため蒸溜所ごとの気候差が大きい。軟水に恵まれた水源が多く、四季の寒暖差が熟成に変化をもたらすとされる。北海道など冷涼な土地では熟成がゆっくり進み、逆に温暖な土地では熟成が早く進むと言われる。2021年には日本洋酒酒造組合が「ジャパニーズウイスキー」の表示基準を制定し、原料の麦芽・水を国内産に限ること、糖化・発酵・蒸留を国内蒸溜所で行うことなどを義務付けた。
スコッチの製法を土台にしながらも、繊細でクリーンな酒質を追求する傾向が強い。中でもミズナラ(日本産楢材)の樽で長期熟成させると、白檀やお香を思わせる独特の芳香が生まれることで知られる。この香りは「ミズナラ・ラクトン」という成分に由来し、発現までに15年以上かかるとされる。ミズナラの木は成熟に200年以上かかるうえ木目が曲がりやすく樽への加工が難しいため、希少で高価な原酒として扱われている。
日本ウイスキーの原点、サントリーの山崎(1923年)と白州(1973年)、ニッカの余市(1934年)と宮城峡(1969年)が二大メーカーの中核を担う。2008年には35年ぶりの新規免許で秩父蒸溜所が誕生し、クラフトの潮流を牽引。近年は各地に小規模蒸溜所が相次いで開業している。






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