
WHY THIS TASTE
通常はトウモロコシ主体のグレーンウイスキー造りに使うカフェ式連続式蒸溜機で、大麦麦芽だけを原料に蒸溜したニッカ独自のウイスキー。発酵までの工程はポットスチルで造るモルトウイスキーと同じで、蒸溜方法の違いによって味わいの大きく異なる原酒になる。麦芽由来の甘みと香ばしさを持ちながら口当たりは軽くなめらかで、クリーミーな甘さと爽やかな後味から、オールドファッションドなどのカクテルベースにも勧められる。2013年12月に欧州で先行発売。45度。

この味を生む蒸留所
宮城峡蒸溜所宮城県仙台市、新川川と広瀬川の合流点近くに立つ、ニッカウヰスキー第2の蒸溜所である。1967年、竹鶴政孝が自ら訪れ、新川川の水でブラックニッカを試飲し、その水質を絶賛して即座に建設を決めた。1969年、わずか2年で完成した。この地は仙台市中心部から西へ約20km、二つの川がもたらす気温差で霧が発生しやすく、熟成にも適した環境だ。最大の特徴は、余市の石炭直火とは対照的な「スチーム間接加熱」。球形に近い、上向きに膨らんだポットスチルを用いる。この穏やかな加熱が、ソフトでフローラルな酒質を生む。余市の重厚さと対をなす、まろやかな日本ウイスキーの造り手だ。
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ニッカ カフェモルトNikka Coffey Malt
2014年発売(2019年に原料不足のため休売)。通常はコーン主体で使われるカフェ式連続式蒸溜機に大麦モルトを通すという異色の製法で造られた、グレーンウイスキー用の蒸溜機によるモルトウイスキー。宮城峡蒸溜所のカフェ式蒸溜機による原酒に、海外子会社ベン・ネヴィス蒸溜所(スコットランド)の原酒も一部組み合わせる。
宮城峡のカフェモルト原酒に、一部ベン・ネヴィス(スコットランド)の原酒を加えるが、正確な配合比は非公開。
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ニッカの「カフェグレーン」と「カフェモルト」は、同じカフェスチルで造られ、度数も参考価格も同じ。公表スペックで違うのはトウモロコシか大麦麦芽かという原料だ。二本の香味の違い、麦芽100%なのにスコッチ基準ではグレーンになる理由、どちらから選ぶべきかを整理する。

日本を代表するグレーンウイスキー二本は、原料も蒸溜方式の大分類も同じで定価まで同額。それでも味が分かれるのは、もろみを何本の蒸溜塔に通すかが違うから。造りの違いと、2022年に知多が入れたカフェ式、度数・実勢価格・飲み分けまで整理する。

北海道・余市の力強さの陰で、宮城峡はなぜ「やわらか」で愛されるのか。竹鶴政孝が二つ目にあえて選んだ霧の谷、スチームで焚くスチル、そしてカフェスチルが生む多彩な原酒から、「もう一つのニッカ」の魅力を読み解く。

知多やカフェグレーンを口にしたときの、あの澄んだ甘さと軽やかさ。同じ穀物の酒なのに、なぜグレーンウイスキーはモルトより格段にクリーンなのか。その鍵は「連続式蒸留」という装置の構造そのものにある。