
WHY THIS TASTE
ライ麦100%のマッシュビルを10年熟成させ、100プルーフ=50度で瓶詰めするブランドの基準作。度数は高いが樽出しのままではなく、複数の樽を選んで組むスモールバッチのブレンドで毎回この一点に合わせ込む。10年という年数は、新樽由来のバニラとキャラメルがライ麦の黒胡椒やミントを包み込みながらも、樽が勝ちきらない位置として選ばれている。6年のピギーバック・ライ(48.28度)より樽香が厚く、ワイン樽で仕上げる12年(43度)よりライ麦そのものの輪郭が立つ。国内では2026年4月にアンドスピリッツから正規発売された。

この味を生む蒸留所
アルバータ蒸留所カナダ・アルバータ州カルガリーに立つ、北米最大の100%ライ・ウイスキー生産者である。石油業のフランク・マクマホン、新聞発行人のマックス・ベル、そして蒸留家のジョージ・ライフェルが、西カナダの価値観に根ざしたブランドとして1946年に創業した。カルガリー郊外の23エーカーの土地に築かれ、1988年からビーム・サントリー傘下にある。100%ライ麦から造る「アルバータ・プレミアム」で知られ、100%ライ・ウイスキーを世に出した最初期の造り手の一つとされる。ビア・スチル蒸留、ステンレス・ダブラーでの再蒸留、ポットスチル蒸留という3種の蒸留を使い分ける。カナダで唯一、ベースもフレーバリングも未発芽ライ麦のみで造る蒸留所だ。
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ホイッスルピッグWhistlePig
アメリカ・バーモント州ショアハムの、かつて酪農場だった約500エーカーの敷地を拠点とするライウイスキーのブランド。2007年に創業者ラージ・バクタが土地を取得し、2010年にブランドを立ち上げた。当初はカナダ産の熟成ライ原酒を用いるノンディスティラー・プロダクツとして名を上げ、のちに自社栽培のライ麦と敷地内のオーク材を使う自家生産体制を築いた。国内では2026年4月20日よりアンドスピリッツが正規輸入代理店を務める。
アルバータ・ディスティラーズ(カナダ)から調達したライ・ウイスキーを主体に、自社ショアハム蒸留所(バーモント州)産や米MGPインガーソル蒸留所産の原酒もブレンドに使用。具体的な配合比率や製品ごとの原酒構成は非公開。
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棚のライウイスキーの裏ラベルに、しばしば同じ一行が入っている——「Distilled in Indiana」。ライ麦95%という共通のレシピ、閉鎖寸前だった契約蒸溜所、そして2015年にテンプルトン・ライが払った代償から、アメリカン・ウイスキーの「出自」の読み方をたどる。

バンド名を冠したウイスキーは名前貸しなのか。ディランが溶接した鉄の門、メタリカがブランデー樽に浴びせる低周波、そして発売の三か月後に亡くなったレミー——三つの実例から、ミュージシャンとウイスキーの距離を確かめる。