インド当局、ペルノとディアジオのスコッチ輸入を調査と報道 英印協定の関税引き下げが焦点
英印の経済貿易協定でスコッチの関税は150%から75%に下がった。その引き下げをバルク原酒の輸入にも適用できるのかを巡り、インドの税当局がペルノ・リカールとディアジオを調べているとロイターが報じた。
インドの税当局が、ペルノ・リカールとディアジオのスコッチ輸入について、英印協定の低い関税を正しく適用していたかを調べている。ロイターが10月19日、複数の関係者の話として報じた。現時点では報道段階で、どちらの会社にも違反は認定されていない。
何が問われているのか
7月15日に発効した英国とインドの包括的経済貿易協定(CETA)で、インドはスコッチなど英国産蒸留酒の輸入関税を150%から75%に引き下げた(英印FTA発効時の記事)。
報道によると、焦点は瓶詰めの製品ではなく、コンテナで運ばれるバルクのスコッチ原酒だ。両社はこの原酒をほかの原料と混ぜて、インド国内で売る大衆向けウイスキーを造っている。名前が挙がっているのは、ペルノのロイヤルステイグとブレンダーズプライド、ディアジオ傘下のマクドウェルズ No.1だ。関係者によると、査察官は協定による関税の軽減はバルク原酒には適用されないと主張したという。
各社の反応
- ペルノ・リカール: 歳入情報局(DRI)に協力し、求められた情報はすべて提出しているとしている。報道では、ニューデリー近郊のインド本社に担当者が訪れ、幹部から話を聞いたという。
- ディアジオ: 現地の法令を常に守ってきたと説明。インド子会社のユナイテッド・スピリッツは、当局による「業界全体を対象とした」捜索で事務所が調べられたことを開示した。ただし何の調査かは明らかにしていない。
ペルノは別件でも、一部輸入品の申告額を低く抑えたとして約3億1,400万ドルの追徴を求められており、争っている。
日本の読者にとって
インドで売れている「ウイスキー」の多くは、糖蜜由来のスピリッツにスコッチ原酒を混ぜたもので、EUや英国などの定義ではウイスキーと呼べない。そうした製品があるからこそ、輸入されるスコッチ原酒の区分が関税をめぐる争点になる。この背景はインドの「ウイスキー」が国際基準ではウイスキーではない理由で解説している。
協定の恩恵がバルク原酒に及ばないとなれば、スコッチ業界がインド市場に寄せていた期待の一部は後退しかねない。調査がどう決着するかは、英印協定の実際の効果を測る材料になりそうだ。
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