
WHY THIS TASTE
スコットランドの歌手ダギー・マクリーンが自作の代表曲から名を採り、自ら選樽した12年。エドラダワーのノンピート原酒をオロロソシェリー樽だけで熟成させているため、樽の性格が一本の軸に統一され、ドライフルーツの甘みと焦がしたナッツの苦みが同じ方向を向く。冷却濾過も着色もしないまま46度で詰めるので、脂質由来の香味成分が濾し取られずに残り、口当たりに粘りが出る。同じ蒸溜所の無煙原酒を使う40度の10年と比べると、年数・度数・全量オロロソの三つが重なって密度が一段上がる。ピートを焚いた仕込みは別ブランドのバレッヒェンが引き受ける。

この味を生む蒸留所
エドラダワー蒸留所スコットランド・ハイランド、パースシャーのピトロホリーに立つ、スコットランド最小級の伝統的蒸留所である。1825年、1823年の酒税法を受けて地元農家の共同事業として創業した、19世紀から続く最後の農場蒸留所の一つだ。1837年にジェームズ・スコットとダンカン・スチュワートが借り受け、「二つの川の間」を意味する「エドラダワー」と名づけた。20世紀半ばのニューヨーク資本の時代などを経て、2002年、マスター・オブ・ザ・クエイックの称号を持つアンドリュー・シミントン率いるシグナトリー社が取得。以来、量より質を重んじる職人的な造りが息づく。スコッチ法で許される最小のスチル一対から、週わずか12樽ほどを生む、可憐な名手だ。
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エドラダワーEdradour
スコットランド・ハイランド地方ピトロッホリーにある1825年創業の蒸溜所。かつてはペルノ・リカール傘下だったが、2002年にインディペンデントボトラーのシグナトリー・ヴィンテージのオーナー、アンドリュー・シミントンが買収した。シグナトリーの熟成・元詰め施設も隣接しており、伝統的な小規模生産を維持。シェリー樽由来のリッチで甘やかな味わいが特徴とされる。
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