
WHY THIS TASTE
ダブリンのワイン商ミッチェル&サンが自社ブランドとして瓶詰めしてきた「スポット」シリーズの定番。7〜10年のシングルポットスチル原酒を、新樽とリフィルのバーボン樽、およびシェリー樽で熟成させてヴァッティングする。年数表記はなく40度。バーボン樽主体ゆえに青リンゴやミントのような軽やかさが軸となり、シェリー樽が控えめに厚みを添える。

この味を生む蒸留所
ミドルトン蒸留所アイルランド南部コーク県ミドルトンに立つ、国内最大のウイスキー蒸留所である。1825年、マーフィー兄弟が旧毛織物工場を蒸留所へ改装したのが起源。1966年、ジョン・ジェムソン、ジョン・パワーズ、コーク・ディスティラーズの3社がアイリッシュ・ディスティラーズとして統合し、旧施設を閉じてミドルトンに集約する道を選んだ。1975年に新ミドルトン蒸留所が稼働し、ジェムソン、パワーズ、レッドブレスト、グリーンスポットなどが今やここで生まれる。アイルランド固有のシングルポットスチル製法——麦芽と未発芽大麦を合わせ、銅のポットスチルで3回蒸留する——の総本山であり、なめらかでスパイシーな独特の酒質を世界に届ける聖地だ。
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グリーンスポットGreen Spot
アイルランド・ダブリンの老舗ワイン商ミッチェル&サン社が手がけるシングルポットスチル・アイリッシュウイスキー。1805年創業の同社が異なる熟成年数の樽に色付きの印(スポット)を付けていた伝統に由来する銘柄で、ミドルトン蒸溜所で製造される。7〜10年熟成の原酒をバーボン樽とシェリー樽でブレンドし、現存する数少ないシングルポットスチルウイスキーのひとつとして高く評価されている。
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アイリッシュは3回蒸溜でなめらか、スコッチは2回で力強い——よく語られる違いを、スコッチウイスキー規則2009とアイリッシュウイスキー技術ファイルで確かめると、蒸溜回数もピートも要件ではなかった。条文が実際に縛っているものを並べ直す。

1875年6月18日、ダブリンの下町リバティーズで約5,000樽の酒が燃えた。ミル通りの片側では幅60センチの火の川が400メートル以上続き、13人が命を落とす。だが誰一人、炎で死んだのではなかった。

アイルランドだけの造り「シングルポットスチル」を代表するレッドブレスト。一度は姿を消しながら甦ったこの銘柄が、なぜ愛好家に「王」と慕われるのか。造りと歴史からひもとく。

軽やかでなめらか、が定番のアイリッシュウイスキー。3回蒸留やシングルポットスチルといった特徴を押さえつつ、入門の一本からアイルランドの真髄まで、予算・タイプ別に9本を選び方とあわせて紹介します。

ジェムソンやレッドブレストを口にしたときの、あのなめらかでオイリーな飲み口。同じ大麦の酒なのに、なぜアイリッシュはスコッチと異なる個性を持つのか。「3回蒸留」と「未発芽大麦」という二つの鍵から、その理由を読み解く。