
WHY THIS TASTE
十年明ノワールの後継として、2024年12月12日にSAB.シリーズの中位表現として登場した46度のブレンデッド。入口のサンセットレッドが甘さとスモークを釣り合わせるのに対し、こちらは蒸留所が掲げる究極のピート側へ寄せた設計で、公式ノートはくすぶる薪のような煙、清潔なウッディさ、胡椒のニュアンスを挙げ、味わいには灰と土っぽいピート感を置く。700mlのみの通年販売、税込5,390円。

この味を生む蒸留所
三郎丸蒸溜所富山県砺波市に立つ、若鶴酒造の蒸溜所である。若鶴酒造はもともと日本酒の酒蔵だったが、戦後の米不足を受け、米以外の原料での酒造りを模索。1947年に若鶴発酵研究所を創設し、1952年にウイスキー製造免許を取得して、2代目社長・稲垣小太郎がウイスキー造りを始めた。北陸最古のウイスキー蒸留施設である。最大の特徴は、世界初の実用鋳造製ポットスチル「ZEMON」。富山が誇る高岡銅器の梵鐘製造技術——400年の伝統——を応用して開発された。2016年、5代目・稲垣貴彦が地元に戻り、蒸溜所の復活を主導。国内外から見学者が殺到する、北陸の造り手だ。
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蒸溜所は公共交通では行きにくい場所にあることが多い。では運転者の試飲はどうなるのか。スコットランドには飲まずに持ち帰る「ドライバーズ・ドラム」があり、日本の案内には「割愛させていただきます」とある。両国の飲酒運転基準を並べて、その差を読む。

ポットスチルは銅板を叩いて溶接するもの——その常識を、富山・砺波の三郎丸蒸溜所は「鋳物」で覆した。四百年の鋳物の町と、二度立ち上がった酒蔵が生んだ、世界初の鋳造製蒸留器ZEMONの話。