
WHY THIS TASTE
1937年に「サントリーウヰスキー12年」として発売され、亀甲模様を刻んだ角ばった瓶の形から「角瓶」の通称が定着した一本。山崎・白州両蒸溜所のバーボン樽原酒を軸に組み立てられており、樽由来のバニラと厚みのある麦の甘みが、ドライな後口でまとまる。発売から1990年代初頭までは43度だったが、現在は40度。2008年以降のハイボール提案で定番として広く飲まれるようになった経緯どおり、炭酸で割っても香りが痩せないことを前提にした設計になっている。

この味を生む蒸留所
山崎蒸溜所大阪府三島郡島本町、天王山の麓に立つ、日本初のモルトウイスキー専門蒸溜所である。1923年、サントリー創業者・鳥井信治郎が、本格的な国産ウイスキー造りを志し、スコットランドで学んだ竹鶴政孝を招いて建設した。鳥井は「天王山があって、木津川・桂川・宇治川の三川が合流するから朝靄もかかる、水質もいい、交通も便利だ」とこの地を選んだ理由を語っている。かつて茶人・千利休が茶室「待庵」を構えたほど水質に恵まれた土地でもある。三川合流による湿潤な気候が、熟成に適した環境を生む。多彩な木樽・原酒を仕込み分け、複雑な味わいを追求する。2023年に創業100周年を迎えた、日本ウイスキー発祥の地だ。
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角瓶Suntory Kakubin
1937年(昭和12年)、創業者・鳥井信治郎が「スコッチに負けない日本のウイスキー」を目指して完成させた、サントリーの看板定番品。山崎・白州のバーボン樽モルト原酒を軸に、知多のグレーン原酒を重ねてバランスよく仕上げる。亀甲模様の角ばったボトルが愛称の由来で、2008年からの「角ハイボール」提案で国民的な定番として定着した。
山崎・白州のモルト原酒と知多のグレーン原酒で構成されるが、具体的な配合比は非公開。
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同じグレンフィディック12年が、英国の高級スーパーでは£44、日本では3,960円から。価格差5,500円のうち税で説明できるのはどこまでか。日英の酒税を一次資料の数字で分解し、スコットランドの最低単価規制まで確かめる。

同じメーカーがレモンの有無で別レシピを立て、サントリーは果汁、デュワーズは皮を指定する。レモンの香りは皮の油胞にあり、酸は果汁にある。皮・果汁・実の三つに分けて考えると、ハイボールのレモンは使い分けられる。

家族に指摘されるのは決まって飲んだ翌朝。よく言われる「のどの筋肉がゆるむから」は、実のところ直接の裏づけが薄い。鼻・のどの通り道・呼吸への反応という三つの経路を、メタ解析と古典的な実験から読み解く。

酒売り場の「洋酒」の札。だが酒税法にも施行令にも施行規則にも、その言葉は一度も出てこない。それでも免許の区分名、組合の名前、統計の名前として生き続け、ジャパニーズウイスキーの自主基準を作ったのも、その「洋酒」の組合だった。

世界の販売数量ランキングを開くと、上位はインドの銘柄で埋まっている。ジョニーウォーカーの上に3本、同じ数字に1本。角瓶とトリスはどこにいるのか。2025年の実績から、ウイスキーの世界地図を数字で読み直す。

山崎12年の希望小売価格は税込17,600円。だが実売は2万円台前半。これは違法ではない。日本の法律にはメーカーが決めた値段を小売店に守らせる仕組みが無く、独占禁止法がむしろ原則として禁じているのは、価格を縛る側のほうだった。