
WHY THIS TASTE
1960年、寿屋(現サントリー)の創業60周年を記念して発売された一本。創業者で初代マスターブレンダーの鳥井信治郎が1962年に世を去る前に手がけた、事実上の最後の作品にあたる。漢字「酒」のつくりである「酉」をかたどった瓶に、神社の鳥居を模した栓を載せる意匠も当初から変わらない。キーモルトは山崎蒸溜所のパンチョン樽原酒と白州蒸溜所の竹炭ろ過原酒で、甘く華やかな香りとなめらかな口当たり、すっきりした余韻に結びついている。43度。

この味を生む蒸留所
山崎蒸溜所大阪府三島郡島本町、天王山の麓に立つ、日本初のモルトウイスキー専門蒸溜所である。1923年、サントリー創業者・鳥井信治郎が、本格的な国産ウイスキー造りを志し、スコットランドで学んだ竹鶴政孝を招いて建設した。鳥井は「天王山があって、木津川・桂川・宇治川の三川が合流するから朝靄もかかる、水質もいい、交通も便利だ」とこの地を選んだ理由を語っている。かつて茶人・千利休が茶室「待庵」を構えたほど水質に恵まれた土地でもある。三川合流による湿潤な気候が、熟成に適した環境を生む。多彩な木樽・原酒を仕込み分け、複雑な味わいを追求する。2023年に創業100周年を迎えた、日本ウイスキー発祥の地だ。
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サントリー ローヤルSuntory Royal
1960年、サントリー創業60周年を記念し、創業者・鳥井信治郎が最後に手がけたブレンドとして発売。漢字の「酉」を象ったボトルに、山崎の原酒を主体としながら白州・知多の原酒を組み合わせ、上質さを追求した。昭和の高度経済成長期、銀座のクラブで重役たちがボトルキープする「地位の象徴」としても親しまれた。
山崎の原酒を主体に白州・知多の原酒を組み合わせるが、具体的な配合比は非公開。
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故人が愛した一本を持ってお墓や仏壇へ。ただし墓石に注ぐのは石を傷めかねず、宗派によっては酒そのものがお供えに向かないとされる。供え方の実務と選ぶ一本、法事の献杯までを整理する。

サントリーのウイスキーは棚に10本以上並ぶ。角瓶とオールドの差、リザーブとローヤルの差、知多と碧の立ち位置——価格の「段」ごとに何が変わるのかを整理し、目的別に最初の一本を選ぶ。

山崎蒸溜所に金を出したのはサントリー創業者・鳥井信治郎だった。13歳の丁稚奉公で覚えた「調合」、赤玉ポートワインの成功、白札の失敗、そして同じ手で開き続けた無料の診療院。竹鶴政孝の影に隠れがちな、もう一人の主役をたどる。

サントリーローヤルの瓶は漢字の「酉」を、栓は山崎蒸溜所の丘に立つ椎尾神社の鳥居をかたどっている。1960年、「創業60周年」を掲げて世に出たこの一本に、鳥井信治郎は何を託したのか。

丸い黒瓶から「だるま」と呼ばれたサントリーオールド。1950年の発売から二本箸作戦と水割り文化で国民的な一本となり、1980年前後には世界一売れたウイスキーになった。その栄光と今をたどる。

実家の棚から出てきた古いウイスキー。未開封なら飲めるのか、価値はあるのか——飲む前に確かめたい液面・コルク・オリのサインと、「特級」表記など年代の手がかり、価値を左右する条件をまとめて解説します。