変圧器メーカーの国産グレーン、初の2年熟成品が8月8日発売
新潟県村上市の吉田電材蒸留所が「シングルグレーン スターデルタ2Y」を2026年8月8日に発売する。同社初の2年熟成品で、53%・700ml・8,800円。北海道産デントコーンを7割使い、新樽で熟成させた。
新潟県村上市の吉田電材蒸留所が2026年7月31日、「吉田電材蒸留所 シングルグレーン スターデルタ2Y」を発表した。発売は8月8日。同蒸留所として初の2年熟成品であり、250mlの小容量が中心だったこれまでのラインナップでは珍しい700mlのフルボトルでもある。度数53%、希望小売価格は8,800円(税込)。
変圧器の会社がつくるウイスキー
吉田電材工業は1940年創業、東京・台東区に本社を置く変圧器メーカーだ。製品名の「スターデルタ」は、同社が手がける変圧器の結線方式に由来する。ウイスキー事業は2022年3月に免許を取得し、同年10月に新潟県村上市で本格稼働した。日本のクラフト蒸留所の多くが酒造業からの参入であるのに対し、まったく別の製造業から入ってきた例になる。
この蒸留所が珍しいのは、モルトではなくグレーンを主軸に据えている点だ。国内でシングルグレーンを看板にする蒸留所は少ない。連続式蒸留がなぜ穀物由来のウイスキーに使われるのかは連続式蒸留で整理している。
原料と樽
原料は北海道産デントコーン70%に、輸入のライモルト15%とモルト15%を合わせた構成。熟成はアメリカンホワイトオークの新樽で2年間行った。新樽は短い熟成期間でも樽由来の香りをはっきり乗せられるため、若い原酒を製品として成立させたい造り手が選ぶ手法だ。詳しくはバージンオーク(新樽)にまとめている。
蒸留所側は、原料の個性に新樽由来の香りと余韻を重ね、ブレンドの技術でまとまりを出すことを狙ったと説明している。
2年という数字をどう見るか
日本洋酒酒造組合の自主基準は、「ジャパニーズウイスキー」と表示するために、700リットル以下の木製樽に詰めて日本国内で3年以上貯蔵することを求めている。法令ではなく業界の取り決めだが、実質的な基準として機能している。2年という熟成はその手前にあたり、この製品は表示要件を満たしていない。なお同基準は穀物の輸入を認めており、国内産が必須なのは水だけなので、輸入のライモルトやモルトを使うこと自体は基準に反しない。外れているのは年数だけだ。
裏を返せば、稼働から4年に満たない蒸留所が、若いうちの原酒をどう製品にするかを正面から示した1本ということでもある。250mlが中心だったシリーズから700mlへ移したことは、造り手が自分の原酒に一定の手応えを得た合図と読める。
8,800円という値付けは、国産クラフトの2年熟成としては安くはない。ただし新樽由来の甘さと香ばしさが立ちやすい設計で、長期熟成のスコッチグレーンとは別種の味を狙っている。銘柄は吉田電材蒸留所、蒸留所の詳細は吉田電材蒸留所のページ、運営会社は吉田電材工業で確認できる。
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