
WHY THIS TASTE
1990年代に免税店向けとして登場し、2014年頃まで売られていた1リットル瓶のノンエイジ。ボウモアの名を高めたシェリー樽を一切使わず、バーボン樽のみで熟成させた構成が最大の特徴で、樽由来の甘みが控えめなぶん、麦芽の若い果実味とピートの煙、そして潮を思わせる塩気が前面に出る。40度と度数も低めで、同じくバーボン樽で組むレジェンドやスモールバッチと並ぶ入門クラスだが、免税店限定という出自ゆえ流通は限られていた。現在は終売。

この味を生む蒸留所
ボウモア蒸留所1779年創業、アイラ島最古の蒸留所。島の中心の町ボウモアに、インダール湾へ face を向けて建つ。ラガン川から引く水と、島のピートで自家製麦した麦芽が、この蒸留所の背骨を成す。ボウモアを唯一無二にするのは、海面下に横たわる伝説の熟成庫「No.1 Vaults」だ。潮騒が壁を叩き、海の湿気を吸い込みながら眠る樽は、他では得られない塩気と深みを原酒に授ける。味わいはミディアムピートのバランス型で、南国のフルーツやハチミツ、そしてかすかな潮。攻撃的なアイラ勢の中では調和と優雅さを体現し、入門にも通好みにも応える懐の深さを持つ。現在はビーム サントリーが運営。二世紀半にわたり、島の暮らしとともに煙を上げ続けてきた生き証人である。
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ボウモアBowmore
スコットランド・アイラ島最古とされる蒸溜所で1779年創業。マター家などを経て複数回オーナーが変わり、1994年に日本のサントリーが完全子会社化した。伝統のフロアモルティングを今も維持し、潮風の影響を受ける熟成庫で穏やかなピート香と塩気のある個性を育む。歴史と革新を両立させるアイラの代表的銘柄の一つ。
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