
WHY THIS TASTE
12年以上熟成した原酒の一部を日本原産のミズナラ樽で仕上げた、日本限定のブレンデッドスコッチ。ミズナラ樽をブレンデッドスコッチに使ったのはこれが世界初で、2013年の登場以来シーバスの日本向けシリーズの起点になっている。通常の12年がはちみつとバニラの丸さで完結するのに対し、こちらは洋梨とオレンジのフルーティさに、ミズナラ由来の繊細でほのかにスパイシーな風味とフローラルな香りが重なる。ハチミツとヘーゼルナッツのまろやかな味わいから、個性的でスパイシーな余韻へ抜ける。IWSC2018金賞、ISC2020金賞。

この味を生む蒸留所
ストラスアイラ蒸留所スコットランド・スペイサイド、キースのアイラ川のほとりに立つ、ハイランドで最も古くから操業を続ける蒸留所である。1786年、ジョージ・テイラーとアレクサンダー・ミルンが、亜麻加工業の衰退に代わる生業として「ミルタウン蒸留所」の名で創業した。当初は40ガロンのポットスチル1基で、ブルームヒルの泉から水を引いた。双子のパゴダ屋根と美しい水車を備えた、スコッチ屈指の風光明媚な蒸留所として知られる。1950年、シーバス・ブラザーズが取得。以来、その豊かでなめらかな原酒は、ブレンデッド「チーバス・リーガル」や「ロイヤル・サルート」の心臓部を担う。「チーバスの故郷」と称される、由緒ある名門だ。
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シーバスリーガルChivas Regal
1801年創業のシーバス・ブラザーズが、1909年にマスターブレンダー、チャールズ・スチュワート・ハワードの手で世に送り出した高級ブレンド。キースのストラスアイラ蒸留所を「心臓部」に据え、その柔らかな原酒が全てのボトルに流れる。ヴィクトリア女王の御用達となった食料品店を起源に持つ、ブレンデッドウイスキーの「高級路線」を切り拓いた先駆けである。
上記に加え、オルタバーンやブラエヴァルなど非公開の蒸留所を含む約20種のモルト・グレーンウイスキーをブレンド。全構成比は非公開。
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「シェリー樽はバーボン樽の10倍高い」とよく言われる。出どころを追うと、いちばん安い中古樽といちばん高い新樽を並べた数字だった。ボトル1本ぶんに割り直せば、差は30円足らずから150円ほどにしかならない。

12年と書かれた一杯の背後には、平均樹齢100年の木がいる。ミズナラは成熟まで200年超、フランスのメランは100年超の林から。ウイスキーでいちばん長い時間は森にある——そしていま米国のホワイトオークで起きているのは「足りない」ではなく「次が育っていない」という話だ。

スーパーで隣り合う二大ブレンデッドスコッチ、バランタインとシーバスリーガル。実は同じシーバス・ブラザーズ傘下の兄弟だ。生い立ち・核のモルト・レンジの組み立て・日本限定ミズナラまで、味と選び方の違いを整理する。

山崎や響を口にしたとき、ふと立ちのぼるお香のような香り。その多くはミズナラ樽に由来する。なぜ日本の楢だけが白檀や伽羅を思わせる香りを生むのか、その化学と歴史をマニアックに掘り下げる。