WHY THIS TASTE
名はゲール語で「ごちゃ混ぜ」「取り違え」の意。バーボン樽熟成とシェリー樽熟成の原酒を職人が誤って混ぜてしまい、味を見た蒸留所側が面白いと判断してそのまま製品化したという逸話を持つ。混ざった原酒をあらためてバーボン樽へ詰め直して6年寝かせ、最後にルビーポート樽で約6ヶ月仕上げた通算9年。2020年に10,550本のみ、46度で瓶詰めされた。駄菓子のような甘さと、草っぽく土の匂いのするスモークが同居する。

この味を生む蒸留所
キルホーマン蒸留所2005年、アンソニー・ウィルズがロックサイド農場に築いたキルホーマンは、実に124年ぶりとなるアイラ島の新設蒸留所だった。その真価は規模ではなく、思想にある。自らの畑で大麦を育て、フロアモルティングで製麦し、島のピートで焚き、蒸留し、熟成させ、瓶詰めまでを一貫して行う——「フィールド・トゥ・ボトル」を体現する数少ない存在だ。すべての工程を島内で完結させた「100% Islay」ボトリングは、この農場蒸留所の哲学そのものである。若い原酒ながら、鮮烈で伸びやかなスモークと、みずみずしいシトラスや洋梨の果実味が同居し、熟成不足を感じさせない完成度で世界を驚かせた。伝統回帰でありながら最も現代的——小さな農場から始まったこの挑戦は、クラフト蒸留所の一つの理想形を示している。
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キルホーマンKilchoman
スコットランド・アイラ島北西部のロックサイド農場にある、2005年創業のキルホーマン蒸溜所が手がけるシングルモルト。1908年以来アイラ島で新たに建てられた初の蒸溜所で、大麦の栽培からモルティング、蒸溜、熟成、瓶詰めまでを農場内で一貫して行う「シングルファーム」を特徴とする。伝統的なフロアモルティングも継続しており、アイラらしい力強いピート香とフルーティーさを併せ持つ味わい。
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