
Port Cask
ポルトガルのポートワイン樽で追熟させ、赤ベリーやプラムのような濃厚な果実味と赤紫がかった色調を加える仕上げ。
ポートワインはブランデーを添加して発酵を止める酒精強化ワインで、その樽にはアントシアニン色素と濃厚な果糖・タンニンが染み込んでいる。この樽でウイスキーを追熟させると、赤スグリやブラックベリー、プラムのような赤黒い果実の凝縮した甘みと、ワイン由来のわずかな渋みが加わり、色調も赤みがかった琥珀色へと変化する。グレンモーレンジ「クインタ・ルバン」が代表例として知られ、ポート樽(パイプ)は縦長で他の酒精強化ワイン樽よりやや大きい「パイプ」と呼ばれる樽形状が使われることが多い。マデイラ樽やシェリー樽と並び、赤系ワイン由来の果実味を求める際の定番選択肢となっている。 本熟成の仕上げとして数ヶ月〜数年単位で使われることが多く、フィニッシュ期間の長さによって果実味の濃さが調整される。
Glenmorangie The Quinta Ruban 14 Year Old
🏴 スコットランド ・ グレンモーレンジィ蒸留所 ・ シングルモルト ・ 14年 ・ 46%
Cragganmore Distillers Edition
🏴 スコットランド ・ クラガンモア蒸留所 ・ シングルモルト ・ NAS ・ 40%

Glen Moray Elgin Classic Port Cask Finish
🏴 スコットランド ・ グレンマレイ蒸留所 ・ シングルモルト ・ NAS ・ 40%
Highland Park Twisted Tattoo 16 Years Old
🏴 スコットランド ・ ハイランドパーク蒸留所 ・ シングルモルト ・ 16年 ・ 46.7%


売り場を賑わす「ポートウッド」「シェリーカスクフィニッシュ」。ここ十数年で急増したこの追加熟成(カスクフィニッシュ)とは何をしているのか。樽を移し替えて仕上げる二重熟成のしくみ、生みの親のバルヴェニーと普及させたグレンモーレンジィ、そして広まった背景と落とし穴までを読み解く。

スコットランドで長く一番売れているシングルモルト、グレンモーレンジィ。オリジナルからラサンタ、キンタ・ルバン、ネクター・ドール、18年、シグネットまで、"追熟(フィニッシュ)"の樽づかいを軸に、味の違いと最初の一本の選び方を整理します。

潮の香りと黒胡椒のようなスパイシーな余韻で知られる、スカイ島のシングルモルト「タリスカー」。スカイ・10年・ストームの定番から、甘みの効いたディスティラーズエディション、度数57%の57°ノースまで、味の違いと最初の一本の選び方を整理します。

ダブルウッドで知られるバルヴェニー。だがその本当の個性は味よりも“造り方”にある。大麦畑・製麦場・銅細工師・樽工房をいまも自社に抱える蒸溜所のこだわりと、最初の一本の選び方を読み解く。

台湾から生まれ、2015年に「世界最高のシングルモルト」に輝いたカバラン。缶コーヒーの会社が挑んだ「不可能」、亜熱帯の猛烈な熟成、そしてスコッチを黙らせた二つの事件から、その愛される理由を読み解く。

原料は穀物と水と酵母。それでも「ウイスキーはヴィーガンか」という問いは消えない。グルテンと違い、蒸留ではこの問いに答えが出ないからだ。清澄という工程と、シェリー・ポート・ビールという樽ごとに異なる前歴を辿る。