WHY THIS TASTE
大麦麦芽だけを銅製ポットスチルで3回蒸溜する、アイリッシュらしい軽やかな酒質が土台。バーボン樽で14年熟成させた原酒と、オロロソシェリー樽で14年熟成させた原酒を別々に育て、瓶詰め前に合わせる「ツインウッド」で仕上げている。バーボン樽だけの12年、最後の2年だけシェリー樽に移す16年と違い、シェリー側の原酒も14年分の時間をかけているぶん、青リンゴやバニラの明るさとドライフルーツやナッツの甘みが対等に並ぶ。冷却濾過をせず46度で瓶詰めする点も、レンジ随一の口当たりの厚みにつながっている。

この味を生む蒸留所
クーリー蒸留所アイルランド東岸ラウス県のクーリー半島に立つ、アイリッシュ・ウイスキー復興の先駆けである。ハーバードでアイリッシュ・ウイスキーの衰退を論じたジョン・ティーリングが、1985年に国営のジャガイモ由来アルコール蒸留所を買い取り、2年足らずで転換。1987年に創業したこの蒸留所は、実に100年ぶりにアイルランドに生まれた新蒸留所だった。大手のアイリッシュ・ディスティラーズが3回蒸留を標榜する中、ティーリングはスコットランド人蒸留家ゴードン・ミッチェルの助力を得て、あえて2回蒸留を選んだ。ピートを効かせた「コネマラ」など、それまでのアイリッシュにない個性を打ち出し、現在はサントリー傘下でその遺産を受け継いでいる。
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ナッポーグ・キャッスルKnappogue Castle
アイルランド・クレア州の古城ナポーグ・キャッスルの名を冠したアイリッシュウイスキーブランド。1966年に城を買い取った米国人マーク・エドウィン・アンドリュースが、アイルランド各地の優れた原酒を樽で購入・熟成させ、自社銘柄として瓶詰めしたのが始まり。廃業したB.デイリー蒸溜所の原酒を36年熟成させた「1951」など希少なヴィンテージでも知られる。現行のシングルモルトは12年・14年・16年の3本が軸で、いずれも大麦麦芽のみを銅製ポットスチルで3回蒸溜する。ブランドは2019年のキャッスル・ブランズ買収でペルノ・リカール傘下に入ったのち、2025年7月にダブリンのコブルストーン・ブランズへ売却された。
ヴィンテージにより原酒供給元が異なり、1990年代はクーリー蒸留所、近年はブッシュミルズ蒸留所の原酒を使用(独立系ボトラーによるアイリッシュウイスキー)。
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