WHY THIS TASTE
3回蒸溜した大麦麦芽の原酒を、まずアメリカンオークのバーボン樽で14年熟成させ、そこからオロロソシェリー樽へ移して2年追熟させた1本。バーボン樽だけで仕上げる12年に対し、最後の2年でレーズンやいちじく、ナッツの香ばしさが上から重なる構造になる。シェリー原酒を最初から14年育てて合わせる14年とは、同じオロロソでも効き方が異なり、こちらは軽やかな麦の甘さが土台に残ったまま、樽香が輪郭を締める。冷却濾過なしの43度。

この味を生む蒸留所
ブッシュミルズ蒸留所北アイルランド・アントリム県、ブッシュ川のほとりに立つ「世界最古の免許を持つ蒸留所」である。1608年、ジェームズ1世がこの地区の領主サー・トーマス・フィリップスに蒸留免許を与えたのが起源で、当時すでに広まっていた密造の伝統を公認した形だ。蒸留所としての実質的な創業は1784年、ヒュー・アンダーソンがオールド・ブッシュミルズを登録し、ポットスチルを商標とした。仕込み水はブッシュ川の支流セント・コルムズ・リル。シングルモルトを伝統的な銅製ポットスチルで3回蒸留し、そのなめらかで軽やかな酒質を1930年代以前から守り続ける。ポットスチルの意匠を3世紀にわたりロゴに掲げる、アイリッシュの象徴的存在だ。
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ナッポーグ・キャッスルKnappogue Castle
アイルランド・クレア州の古城ナポーグ・キャッスルの名を冠したアイリッシュウイスキーブランド。1966年に城を買い取った米国人マーク・エドウィン・アンドリュースが、アイルランド各地の優れた原酒を樽で購入・熟成させ、自社銘柄として瓶詰めしたのが始まり。廃業したB.デイリー蒸溜所の原酒を36年熟成させた「1951」など希少なヴィンテージでも知られる。現行のシングルモルトは12年・14年・16年の3本が軸で、いずれも大麦麦芽のみを銅製ポットスチルで3回蒸溜する。ブランドは2019年のキャッスル・ブランズ買収でペルノ・リカール傘下に入ったのち、2025年7月にダブリンのコブルストーン・ブランズへ売却された。
ヴィンテージにより原酒供給元が異なり、1990年代はクーリー蒸留所、近年はブッシュミルズ蒸留所の原酒を使用(独立系ボトラーによるアイリッシュウイスキー)。
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