
WHY THIS TASTE
1985年発売のロングセラー。モルト原酒とカフェグレーン原酒を極力加水せずヴァッティングし、英国式90プルーフ相当の51度(実際は51.4度)に仕上げる。バーボン樽由来のウッディな香りとスパイシーな余韻を残す、カスクストレングス級の骨太な飲みごたえが持ち味。

この味を生む蒸留所
宮城峡蒸溜所宮城県仙台市、新川川と広瀬川の合流点近くに立つ、ニッカウヰスキー第2の蒸溜所である。1967年、竹鶴政孝が自ら訪れ、新川川の水でブラックニッカを試飲し、その水質を絶賛して即座に建設を決めた。1969年、わずか2年で完成した。この地は仙台市中心部から西へ約20km、二つの川がもたらす気温差で霧が発生しやすく、熟成にも適した環境だ。最大の特徴は、余市の石炭直火とは対照的な「スチーム間接加熱」。球形に近い、上向きに膨らんだポットスチルを用いる。この穏やかな加熱が、ソフトでフローラルな酒質を生む。余市の重厚さと対をなす、まろやかな日本ウイスキーの造り手だ。
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ニッカ フロム・ザ・バレルNikka Whisky From the Barrel
1985年、ニッカのブレンディングチームを率いた佐藤茂生が手がけた個性派ブランド。余市・宮城峡の両蒸留所が生むモルト・グレーン原酒100種以上を一度ブレンドした後、再び樽に詰めて「マリッジ」と呼ばれる後熟を経ることで、複雑な原酒を一体化させる。英国プルーフ90度に由来する51.4%という高めの度数も特徴。
余市・宮城峡の自社原酒で構成されるが、100種以上とされる原酒の具体的な配合比は非公開。
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背が低く口の広いグラスには2割多く注いでしまう——経験平均6.3年のバーテンダーでも起きた実験と、実際の店では確認されなかった差。家の一杯を一度だけ測っておく理由を、三つの研究から読み解く。

同じ穀物から造れて、同じ建物で並んで造られることもある二つの酒。EUの条文はウイスキーに「足すな」を並べ、ジンには「何を足せばその名前で呼べるか」を書く。ところが日本の酒税法を開くと、その立場はねじれる。

バーの二時間はなぜ一瞬で溶けるのか。アルコールを投与した実験では時間を「長く」見積もり、同じ本人が「速く過ぎた」と答えていた。この二つが同じ仕組みから出てくる理屈と、狂った時間感覚の代わりに置くべき基準を、原典と厚労省ガイドラインからたどる。

飲んだ直後、血圧はむしろ下がる——ただしそれはシングル1杯半ほどからの話。反転して上がるのは、高用量(男性ならシングル3杯強)を飲んだ晩の十数時間後だ。コクランの解析が示した二相性と、厚労省が高血圧を「0g<」に置く根拠、そしてウイスキー何杯までかの換算まで。

定説の根拠として引かれる「筋タンパク合成24%減」の研究を開けると、飲まれたのは体重70kg換算でウイスキー約330ml。プロテインで帳消しにできるのか、女性ではどうか、そして「何杯までなら」の目安まで、研究の中身に降りて確かめる。

1,000円台のブラックニッカから、7,700円で横並びになる竹鶴・余市・宮城峡まで。ニッカのラインナップは値段の段がそのまま「中身の段」になっている。定番各本の度数・味の方向と、最初の一本の決め方を整理する。