ディアジオ、減益決算のなかでスコッチは伸びた
ディアジオが8月6日に発表した2026年6月期決算は、報告ベースの営業利益が27%減。一方でスコッチは数量3%増・オーガニック純売上2%増と踏みとどまり、全社売上の24%を占める同社最大のカテゴリーであり続けた。
世界最大級の酒類企業ディアジオが2026年8月6日、2026年6月30日に終えた年度の決算を発表した。報告ベースの純売上高は196億4,300万ドルで前年から3.0%減、報告ベースの営業利益は31億5,600万ドルで27.2%減。数字だけを見ると急ブレーキだが、内訳を追うと様子が違う。
27%減の主因は特別損失で、そのうち約15億ドルはブランドなどの減損だ。一時要因を除いたオーガニック営業利益は2.0%増、オーガニック純売上高は2.0%減にとどまる。フリーキャッシュフローは4億6,300万ドル増えて32億1,100万ドル。あわせて、新しい運営体制のもとで2027年度からの2年間に約8億5,000万ドルのコストを削減する計画も示された。CEOのサー・デイブ・ルイス氏は、北米での競争力回復を最優先に挙げている。
ウイスキーの読者にとって重要なのはカテゴリー別の内訳だ。テキーラや米国ウイスキー、カナディアンウイスキーが落ち込むなかで、スコッチは数量が3%増、オーガニック純売上高が2%増、報告ベースでは5%増と伸びた。スコッチは全社売上の24%を占め、同社最大のカテゴリーである。ジョニーウォーカーはオーガニック純売上が2%増で、トルコとインドが二桁成長。ブキャナンズはオーガニックで12%増だった。

日本の読者にとっては、まず棚に並ぶ顔ぶれの話になる。ホワイトホースもディアジオのブランドで、今週はキリンビールから日本限定の「なごみ」が発表されたばかりだ(ホワイトホース なごみ、9月1日発売)。同社の中でスコッチだけが伸びているという構図は、こうした日本市場向けの新商品が続く理由の裏づけでもある。
2026年は米国の関税がゼロになった年でもあるが(7月24日発効)、それでも蒸溜所の稼働は戻りきっていない(関税は消えたのに、なぜ蒸溜所は止まったままなのか)。今回の決算は、数社の巨大企業が動かす業界のなかで、その一角が守りに入りながらもスコッチだけは手放していない、という一枚の断面だ。
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