
WHY THIS TASTE
すべての原酒を12年以上熟成させたものだけを使い、約40種類のモルト・グレーンウイスキーをブレンドすることで、控えめなスモークとウィンタースパイスが、フルーティーな甘みと調和した重層的な味わいになる。

この味を生む蒸留所
キャメロンブリッジ蒸留所スコットランド・ローランド、ファイフに立つグレーン(穀物)ウイスキー蒸留所である。1824年、ジョン・ヘイグが創業した、スコットランド最大かつ最古級のグレーン蒸留所だ。ヘイグ家は1655年に蒸留の記録が残る、由緒あるウイスキー一族。1830年、従兄弟ロバート・スタインが発明した連続式蒸留機(パテントスチル)をいち早く導入し、グレーンウイスキー製造の先駆けとなった。1877年にはヘイグらグレーン蒸留家の連合がディスティラーズ・カンパニー社(DCL)——のちのディアジオ——を形成した。現在はディアジオが所有し、多くのブレンド用グレーン原酒に加え、ゴードンズ・ジンやタンカレー、スミノフ・ウォッカも造る、ファイフの巨大蒸留所だ。
蒸留所の詳細を見る →このボトルのブランド
ジョニーウォーカーJohnnie Walker
1820年、スコットランド・キルマーノックの食料品店主ジョン・ウォーカーが自家配合を始めたことに端を発する、世界最大のスコッチブランド。スペイサイドのカードゥ蒸留所が「精神的な故郷」とされ、四角いボトルと斜めのラベルは息子アレキサンダーの代のデザイン。レッド・ブラック・グリーン・ゴールド・ブルーと色分けされたラベルは熟成年数や原酒構成の違いを表し、約40種のモルト・グレーン原酒を使い分ける。
上記5蒸留所(アイラ・ハイランド・スペイサイド・ローランドの「フォー・コーナーズ」原酒+グレーン)に加え、約40種のモルト・グレーンウイスキーをブレンド。全構成比は非公開。
このブランドの他のボトルを見る →
ウイスキーが箱や筒に入って売られてきたのは、光よけ・贈答・売り場の看板のため。だが2022年以降、ディアジオやジェムソン、ブルックラディが箱を外しはじめた。箱の役目と、捨てる前に考えたいことを整理する。

スコッチのシングルモルトとブレンデッドがほぼ半々で売れる市場は、台湾だけだという。1991年の輸入自由化、2002年のWTO加盟と専売の終わり、マッカランとシングルトンの売り込み、シェリー樽と贈答の文化——コニャックの島がモルトの国になるまでをたどる。

ウイスキーの瓶の隅にある「L」で始まる英数字。その正体はロットコードです。賞味期限を書かない酒だからこそ必要になる理由、愛好家が読み解く日付の型、並行輸入で削られる事情までをたどります。

グラスいっぱいの砕いた氷にウイスキーを注ぐ「ミスト」。19世紀初めには「雹の嵐」とも呼ばれた古い飲み方が、なぜロックと違う味になるのかを氷の表面積から解説し、家での作り方と、ミストに向く度数高め・香りの輪郭がはっきりした一本の選び方を紹介します。

一日中グラスを手にしていたチャーチル。だが娘が「パパ・カクテル」と呼んだ中身は、タンブラーの底に指ぬき1杯のスコッチを垂らして水で満たした、うがい薬のような一杯だった。ぬるい水から始まった付き合いと、銘柄・逸話をたどる。

背の低い厚底のウイスキーグラスには「オールド」「ロック」「タンブラー」と名前がいくつもある。19世紀の「小さなバーグラス」がカクテルの名で呼ばれるようになった経緯、1940年代に流行したスコッチ・オン・ザ・ロックス、「転ぶ」に由来するタンブラーの二つの説をたどる。