グレンフィディック vs グレンリベット——名前が似た「スペイサイドの二大巨頭」、味と生い立ちはどう違う?
シングルモルト入門の定番、グレンフィディックとグレンリベット。名前は似ていても味も歴史も好対照。定番の12年での飲み比べと、失敗しない選び方を整理する。
シングルモルト入門でまず名前が挙がるのが、グレンフィディックとグレンリベット。どちらもスコットランド・スペイサイドの銘柄で、名前も「グレン◯◯」とよく似ているため、店頭で「結局どっちを買えばいいの?」と迷う人はとても多い。
この記事では、二本の"生い立ち"の違いから、定番の12年で飲み比べたときの味の個性、そして「どちらが自分に合うか」までを整理する。似ているようで、実は好対照な二本だ。
名前は似ていても、生い立ちは正反対
まず歴史から。グレンリベットは1824年、ジョージ・スミスが密造酒だらけだった谷でいち早く政府の蒸留免許を取得して始まった、この地域で最初の"合法蒸留所"だ。密造が当たり前だった時代に堂々と看板を掲げた「元祖」であり、現在はフランスの酒類大手ペルノ・リカール(シーバス・ブラザーズ)が所有している。
一方のグレンフィディックは1886〜87年、ウィリアム・グラントと家族が自らの手で建てた蒸留所。創業から一貫して家族経営(ウィリアム・グラント&サンズ社)を守り続けているのが最大の特徴だ。1960年代には「シングルモルト」を世界に本格的に売り込んだ先駆者でもあり、いまのシングルモルト・ブームの土台を築いた立役者と言われる。
売上でも二本は世界の首位を争ってきた。長らく世界No.1を保つのがグレンフィディック、対してグレンリベットはアメリカ市場では首位、世界全体では2位という関係だ(2014年に一度グレンリベットが世界一に立ったこともある)。
味はどう違う?――定番の「12年」で飲み比べる
両者の性格がいちばん分かりやすいのは、入門の定番であるそれぞれの12年。
グレンフィディック12年は、洋梨や青リンゴを思わせるフレッシュで軽やかな果実味が身上。すっきりと乾いた後口で、クセが少なく飲み飽きしない優等生タイプだ。

グレンリベット12年は、オレンジのような柑橘に、パイナップルを思わせるトロピカルな甘さと花のような華やかさが重なる。口当たりはとろりとなめらかで、"甘く華やか"な方向に振れている。
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