
WHY THIS TASTE
ノンピートの原酒を、アメリカンオークのバーボン樽とヨーロピアンシェリー樽の2種で最低12年熟成させたコアレンジの入門ボトル。洋梨やレモンを思わせるフルーティーな香りに、クリーミーな甘さと軽やかなバニラ感が重なる。40度、オフィシャルテイスティングでは繊細で軽やかな余韻とされる、スペイサイドらしい素直な飲み口が持ち味。

この味を生む蒸留所
グレンフィディック蒸留所スコットランド・スペイサイド、ダフタウンのフィディック川の谷に立つ、世界で最も売れるシングルモルトの蒸留所である。1839年ダフタウン生まれのウィリアム・グラントが、モートラックで20年学んだのち独立し、1886年に礎石を据えて家族の手で建てた。初留は1887年のクリスマスの日。息子5人を含む一族総出で築き、建設費はわずか700ポンド余りだったと伝わる。仕込み水は水源確保のため土地ごと買い取った「ロビー・ドゥ」の湧水。以来ずっと同じグラント家が所有し続ける稀有な蒸留所で、隣接するバルヴェニー、キニンヴィも一族が営む。青リンゴや洋梨を思わせる爽やかな酒質で、シングルモルトを世界に広めた立役者だ。
蒸留所の詳細を見る →このボトルのブランド
グレンフィディックGlenfiddich
1887年、ウィリアム・グラント氏が創業したスペイサイドの蒸溜所によるシングルモルト。1963年にアメリカなど海外市場へ本格進出し、現代的なシングルモルトというカテゴリーを切り開いた立役者とされる。世界で最も売れているシングルモルトウイスキーであり、単独で世界のシングルモルト市場の約3割超を占める。現在も創業家ウィリアム・グラント&サンズが所有する家族経営企業。
このブランドの他のボトルを見る →
ブラインド用のグラスには、中身の色が見えない青や黒のものがある。色を隠すと何が変わるのか——白ワインを赤く染めた2001年の実験と、黒いグラスを使った追試、そしてウイスキーの色が読み違えやすい理由をたどる。

同じグレンフィディック12年が、英国の高級スーパーでは£44、日本では3,960円から。価格差5,500円のうち税で説明できるのはどこまでか。日英の酒税を一次資料の数字で分解し、スコットランドの最低単価規制まで確かめる。

「そのうち分かるようになる」と言われる。だが研究を並べると、薄さに気づく感度では専門家と初心者に差がつかない。1,200時間を積んだソムリエ学生も、嗅覚テストの点は動かなかった。伸びるのは、別の層だ。

濡れた段ボールのようなにおい。ワインで「ブショネ」と呼ばれる現象の原因物質TCAは、水1,000トンに1ミリグラムの濃度で香りの評価を押し下げる。ニュージーランドは栓を替え、ウイスキーはコルクを守る道を選んだ。

市販ウイスキー14本を官能評価と化学分析にかけ、マンゴー香の弱い一本に加えて確かめる。そうして挙がった三つは、アルデヒド二つとアセタール一つだった。どれも単体では、誰も「マンゴー」とは呼んでいない。

日本に入ってこない一本を、海外の通販で買えるのか。免許も届出も要らないこと、ウイスキーの関税が無税であること、課税価格1万円以下でも酒税だけは免除されないこと、そして税より高い「運送の壁」までを一次情報で確かめた。