山崎と白州は何が違うのか——サントリー二大シングルモルト、味の個性と選び方
日本を代表する二大シングルモルト、山崎と白州。じつは中身は驚くほど対照的です。二つの蒸溜所の成り立ちから味の個性、そして「あなたはどちらを選ぶべきか」までを整理します。
「山崎」と「白州」。どちらもサントリーが世界に誇るシングルモルトで、並び称される日本の二大銘柄です。けれど中身は、驚くほど対照的。ギフトや自分へのご褒美に一本選ぶとき、「結局どっちがいいの?」と迷う人は多いはずです。
この記事では、二つの蒸溜所が生まれた背景から、味わいの個性、そして「あなたはどちらを選ぶべきか」までを整理します。
同じ会社なのに、なぜ二つあるのか
山崎蒸溜所は1923年、サントリー創業者・鳥井信治郎が京都と大阪の府境に近い山崎の地に築いた、日本初の本格ウイスキー蒸溜所です。桂川・宇治川・木津川という三つの川が合流し、霧が立ちこめる湿潤な土地が選ばれました。
いっぽう白州蒸溜所ができたのは、それから半世紀後の1973年。二代目・佐治敬三が「山崎とは違うタイプのウイスキーを造る」ことを目指し、まったく異なる環境——南アルプスの標高およそ700mの森——に建てました。つまり白州は、はじめから山崎の対極として設計された蒸溜所なのです。
山崎——華やかで甘い、飲みごたえのある味
山崎の個性は、ふくよかで甘い香りにあります。熟した果実やレーズンを思わせる濃厚さに、シェリー樽由来のコクが重なります。そして山崎を語るうえで欠かせないのが、日本原産のミズナラ樽。とくに長く熟成させた原酒には、白檀や伽羅のお香を思わせる、独特のオリエンタルな香りが宿ります。
アメリカンオーク・シェリー樽・ミズナラ樽を使い分ける多彩な樽構成が、この奥行きを生んでいます。ストレートやロックでゆっくりと、甘さと余韻を味わいたい一本です。
白州——みずみずしく、「森」の味
対する白州は、山崎とほぼすべてが逆を向いています。青りんごやミント、若葉を思わせるフレッシュでグリーンな香りが第一印象。冷涼で湿度の低い高地の気候が熟成をゆっくり進め、この涼やかさを育てます。
もう一つの特徴が、ごく軽くピート(泥炭)を焚いた麦芽を一部に使うこと。山崎にはない、かすかなスモーキーさがアクセントになっています。樽はバーボン樽が主体で、シェリーやミズナラの重さよりも、素材の清々しさを前面に出す設計です。
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