ジャックダニエルはバーボンじゃない?——バーボンとの違いと、定番ラインナップの選び方
ジャックダニエルはバーボンの条件をすべて満たすのに、なぜ「テネシーウイスキー」を名乗るのか。リンカーン郡工程という一手間から、バーボンとの違いと定番ラインナップの選び方までを解説します。
「ジャックダニエルってバーボンだよね?」——バーで、居酒屋で、何度も交わされてきた会話です。結論から言うと、答えは「バーボンの条件はすべて満たしているのに、バーボンとは名乗らない」。ちょっとひねくれた、でも知ると面白い話です。この記事では、バーボンとテネシーウイスキーの違いを整理しながら、ジャックダニエルの定番ラインナップの選び方までまとめて解説します。
そもそもバーボンとは何か——5つの条件
バーボンは「ケンタッキーで造られた酒」というイメージがありますが、法律上の定義はもっとシンプルです。アメリカ連邦政府の基準では、おおむね次の5つを満たせばバーボンを名乗れます。
- アメリカ国内で造られていること
- 原料の穀物のうちトウモロコシが51%以上
- 蒸留時のアルコール度数が80%(160プルーフ)以下
- 内側を焦がした新品のオーク樽で熟成させること
- 樽詰め時の度数が62.5%(125プルーフ)以下
意外なことに「ケンタッキー産であること」も「最低熟成年数」も条件に入っていません。アメリカで造れば、どの州のものでもバーボンになり得ます。トウモロコシ由来の甘みは、この「51%以上のコーン」と「新樽」から生まれます。

このコラムの関連
関連するボトル


次に読む

ジャックダニエル vs ワイルドターキー——片方は40%まで薄くし、片方は50.5%を一度も変えなかった
同じ棚に並ぶ二本の度数は40%と50.5%。ジャックダニエルは1987年と2002年の二度にわたって瓶詰めの度数を下げ、ワイルドターキーは101プルーフを守り続けた。炭で削る設計と深く焼いた樽で重ねる設計を、原料・工程・飲み方から比べる。

氷点下30度にさらすか、地下50メートルに隠すか——北欧のウイスキーは、スコッチの北の分家ではなかった
スウェーデン、デンマーク、フィンランド。5大ウイスキーの外側で育った北欧の造り手は、寒さへの答えも原料も割れている。サウナで生まれたライ麦のウイスキー、店じまいした肉屋から始まった蒸溜所。北欧ウイスキーの輪郭をたどる。



