マンハッタンの作り方——「カクテルの女王」を家で美味しく作る、黄金比・ステア・ベース選び
ウイスキー・ベルモット・ビターズの三つで作る「カクテルの女王」マンハッタン。基本の比率と作り方、シェイクせずステアする理由、ライとバーボンのベース選び、覚えておきたいバリエーションまで。
オールドファッションドと並ぶ、最初期の古典カクテルのひとつが、このマンハッタンです。ウイスキー・ベルモット・ビターズのわずか三つを混ぜるだけ。それでいて「カクテルの女王」と称されるほど気品のある一杯で、家でも道具をほとんど選ばず作れます。この記事では、マンハッタンの成り立ちから基本のレシピ、シェイクせずステアする理由、ベース選び、そして覚えておきたいバリエーションまでを整理します。
「カクテルの女王」と呼ばれる一杯
マンハッタンは、ウイスキーをスイート(赤)ベルモットで割り、ビターズで香りを引き締めた、酒の芯を残すタイプ(スピリッツ・フォワード)のカクテルです。同じ系譜のオールドファッションドが砂糖で甘みを足すのに対し、マンハッタンはベルモットという「甘みと苦みを併せ持つワイン」でふくらみを与えるのが違いです(→オールドファッションドの作り方)。
名前の由来には諸説あります。ニューヨークの社交場「マンハッタン・クラブ」で生まれたとする説が有名で、印刷物での最初期の言及は1882年ごろとされます。ただし、ウィンストン・チャーチルの母ジェニー・ジェローム(レディ・ランドルフ・チャーチル)が考案したという逸話は、当時の彼女がイギリスにおり、ニューヨークの宴席に居合わせていなかったことから否定されています。有名だが確証のない物語として楽しむのがよいでしょう。
基本のレシピと作り方
材料はごくシンプルです。
- ウイスキー(ライまたはバーボン)60ml
- スイートベルモット(赤)30ml
- アンゴスチュラビターズ 2ダッシュ
- カクテルチェリー(あれば)
ウイスキーとベルモットの比率は2:1が古典的な目安です。ミキシンググラス(なければ大きめのグラス)に材料と氷を入れ、20〜30回ほどゆっくりステア(かき混ぜ)して、しっかり冷やします。氷を漉しながら、あらかじめ冷やしておいたカクテルグラスに注ぎ、チェリーを沈めれば完成。好みでオレンジピールを絞って香りを添えても構いません。近ごろは辛口を好んで2.5:1や3:1にする人も増えていますが、まずは2:1で自分の基準を作るのがおすすめです。
なぜシェイクせずステアするのか
マンハッタンは炭酸や卵白、柑橘の果汁を使わない「酒だけを混ぜる」カクテルです。こうした一杯をシェイクすると、細かい気泡が入って濁り、口当たりも軽くなってしまいます。氷とともに静かにステアすれば、澄んだ見た目とシルクのような舌ざわりを保ったまま、程よく加水して角を取ることができます。透明感が命の一杯なので、ここは焦らずゆっくりと。
ベースはライ?バーボン?
土台のウイスキーで表情は大きく変わります。19世紀にはライウイスキーで作るのが一般的だったと伝わり、いまも「マンハッタンはライで」という愛好家は多いもの。ライのスパイシーで辛口な個性が、ベルモットの甘みを引き締め、大人びた味に仕上がります(→ライウイスキーとは)。
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