
WHY THIS TASTE
バーボンでは珍しく、ライ麦の代わりに小麦を使うウィーテッド・マッシュビル(トウモロコシ70%・小麦16%・モルト大麦14%)を採用しており、ライ由来のスパイシーさが抑えられ、代わりに丸みのある柔らかな甘さが際立つ。

この味を生む蒸留所
メーカーズマーク蒸留所ケンタッキー州ロレット、丘に囲まれた小さな谷に立つ、ライ麦を使わない小仕込みバーボンの名門である。ビル・サミュエルズ・シニアが1953年にバークス蒸留所を3万5千ドルで買収し、1954年に生産を開始、1958年に赤い封蝋の第一号を瓶詰めした。彼はパンを焼き比べてレシピを選び、ライ麦の代わりに冬小麦を使う配合に辿り着いたと伝わる。妻マージーが銘柄名とラベルを考案し、瓶を彩る手作業の赤い封蝋を生んだ。コーン70%・冬小麦16%・大麦14%のウィーテッド・マッシュビルが、柔らかく甘い口当たりを生む。バークス蒸留所は稼働中に国定歴史建造物へ指定された、数少ない蒸留所だ。
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メーカーズマークMaker's Mark
アメリカ・ケンタッキー州のバーボンウイスキー。1953年ビル・サミュエルズ・シニアが創業し1958年発売。ライ麦の代わりに小麦を使う「ウィーテッド・バーボン」の先駆けで、コーン70%、小麦16%、大麦麦芽14%の配合。手作業で赤い封蝋を垂らす瓶詰めが象徴的。まろやかで甘みのある口当たりが特徴。
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スコッチウイスキー規則2009とアメリカ連邦規則5.143条を一行ずつ並べて読むと、熟成年数も樽も添加物の可否も、通説とは違う場所に線が引かれていました。「何も足すな」と厳しく書かれているのは、じつはバーボンのほうです。

スコッチの樽詰めは慣習で63.5%、バーボンは法律で62.5%以下。蒸溜直後の70%でもラベルの40%でもないこの一点が、木から何が溶け出すかを左右している。メーカーズマークが8年かけて検証した数字の話。

どちらも樽で熟成し、琥珀色になり、値札も近い。それでもウイスキーとテキーラは、糖の作り方・熟成の下限・足していい添加物・原料表示・産地の縛りで、条文の線の引き方が正反対に近い。NOMとEU規則を並べて読み解く。

コーヒーの染みは縁だけが濃い輪になるのに、ウイスキーの一滴はほぼ均一な円盤しか残さない。グラスの底の模様に気づいた写真家が査読論文の共著者になるまでと、加水量で乾き方が三通りに変わる話。

「魚には白ワイン」と言われるのに、居酒屋では刺身の隣にハイボールが置かれている。魚と酒の生臭さの原因が鉄と亜硫酸だと突き止めた二つの研究と、ウイスキーの鉄がワインより一桁近く低いという実測値から、和食との相性を読み解く。献立ごとの合わせ方まで。

エタノールは78℃、バニリンは285℃。揮発しやすいものから順に消え、残された成分が濃縮されていく——空きグラスが甘く香る理由を、よく語られる「エタノールがマスクしていた」説を研究データで検証しながら解き明かします。