オールドファッションドの作り方——「最も古いカクテル」を家で美味しく作る、砂糖・ビターズ・ベース選び
カクテルの原型とされるオールドファッションド。ウイスキー・砂糖・ビターズのシンプルな一杯を家で美味しく作るコツを、レシピ・技術・ベース選びまで解説します。
バーの定番として名前は知っていても、いざ家で作るとなると意外にハードルが高い——そう感じられがちなのがオールドファッションドです。けれど材料は驚くほど少なく、コツさえつかめば自宅でも十分に美味しく作れます。この記事では、オールドファッションドが「最も古いカクテル」と呼ばれる背景から、基本のレシピと作り方、砂糖やベースの選び方、つまずきやすい点までを整理します。
「カクテルの原型」と呼ばれる理由
カクテルという言葉の最も古い定義のひとつは、1806年5月13日、ニューヨーク州の新聞『The Balance and Columbian Repository』に載ったものです。そこでは「あらゆる種類の蒸留酒・砂糖・水・ビターズを合わせた、気付けの一杯」と説明されています。まさにこれは、いまのオールドファッションドそのものの姿です。だからこそこの一杯は「カクテルの原型」「最も古いカクテル」と呼ばれます。
「オールドファッションド(昔ながらの)」という名前の由来には諸説あります。ケンタッキー州ルイビルのペンデニス・クラブ発祥という逸話が有名ですが、この説は否定されています。カクテル史家のデイヴィッド・ワンドリッチは、同クラブ創設(1881年)より前の1880年の新聞にすでに「オールドファッションド・カクテル」の記述があると指摘しています。手の込んだ新しいカクテルが次々生まれた時代に、「昔ながらのやり方で」という意味合いで古い呼び名が定着したと考えるのが自然です。
基本のレシピと作り方
伝統的な材料はごくシンプルです。
- ウイスキー(バーボンまたはライ)45ml
- 角砂糖 1個(またはシュガーシロップ 小さじ1)
- アンゴスチュラビターズ 2〜3ダッシュ
- 水 少々
- オレンジピール、好みでチェリー
- 大きめの氷
作り方は、まずグラスに角砂糖を入れ、ビターズと少量の水を垂らして砂糖を軽くつぶし溶かします。そこへウイスキーを注ぎ、大きめの氷を入れて、冷えて一体になるまでゆっくりステア(かき混ぜ)します。仕上げにオレンジの皮を絞って香りを移し、グラスに添えれば完成です。専用の道具がなくても、バースプーンとグラスがあれば作れます。
角砂糖か、シロップか
砂糖の溶け残りが気になるなら、あらかじめ砂糖を水で煮溶かしたシュガーシロップを使うと失敗がありません。一方、角砂糖をつぶすところから始めるのは、香りと甘さが少しずつ立ち上がっていく過程そのものを楽しむ古典的なやり方です。急ぐときはシロップ、じっくり味わいたいときは角砂糖、と使い分けるとよいでしょう。
フルーツはつぶす?つぶさない?
オレンジやチェリーを「グラスの中でつぶす(マドリングする)」スタイルを見たことがあるかもしれません。これは比較的新しいやり方で、禁酒法の時代に広まり、20世紀半ばには標準的なスタイルとして定着しました。ところが近年のクラフトカクテルの復興では、むしろ果物を加えない原点回帰が進んでいます。果肉感のある甘い一杯も魅力ですが、古典を尊ぶ人は「本来の姿から外れる」として好みません。まずは皮を絞るだけのシンプルな作り方から試し、物足りなければフルーツを加える、という順番がおすすめです。
ベースはバーボン?ライ?
土台に使うウイスキーで、印象は大きく変わります。甘く香ばしいバーボンは砂糖とビターズになじみやすく、初めての一杯に向きます。手頃で個性のはっきりしたバッファロートレースは、オールドファッションドの定番ベースのひとつです。

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