
WHY THIS TASTE
オンタリオ州ウィンザーで造られる12年熟成のカナディアンクラブ上級ライン。世界ウイスキーアワードで受賞歴あり。

この味を生む蒸留所
ハイラム・ウォーカー蒸留所カナダ・オンタリオ州ウィンザー、デトロイト川を望むウォーカービルに立つ、北米最大級のウイスキー蒸留所である。アメリカ出身の実業家ハイラム・ウォーカーが、1858年にこの地へ蒸留所を築いた。彼が「クラブ・ウイスキー」として売った酒は、1889年に「カナディアン」の語が加えられ、1893年に正式に「カナディアン・クラブ」となった。ウォーカー家は1926年まで所有し、以後幾度も持ち主が変わって現在はペルノ・リカール傘下で稼働する(カナディアン・クラブのブランドはサントリー所有)。コーンを主体とするベース・ウイスキーとライのフレーバリング・ウイスキーを別々に蒸留・熟成し、後にブレンドするカナディアン・ウイスキーの流儀を体現する、歴史的名門だ。
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カナディアンクラブCanadian Club
1858年、ハイラム・ウォーカーがオンタリオ州ウォーカーヴィルで創業。禁酒法時代には対岸デトロイトへ密輸される「最も持ち込まれたウイスキー」として名を馳せた。今なお創業の地ウィンザーのハイラムウォーカー蒸留所のみで生産され、同一拠点内の複数の蒸留設備で造り分けた原酒をブレンドする。蒸留所の所有会社(ペルノ・リカール系)とブランドの所有会社(サントリー)が異なる、ウイスキー業界らしい変則的な関係の一例。
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禁酒法時代のアメリカで、連邦政府は工業用アルコールにメタノールなどの毒物を加えるよう定めていた。密造業者が毒を抜き、政府がさらに毒を強めた経緯と、語り継がれる「1万人」という数字をどこまで信じてよいかを整理する。

カナディアンウイスキーは9.09%まで他の酒を混ぜられる、とよく言われる。だが食品としての規格に量の定めはない。数字が明記されていたのは酒税当局の文書で、しかも基準は液体の量ではなくアルコール量だった。

北緯80度、面積1.3km²の無人島ハンス島。カナダとデンマークが半世紀ちかく争った領土紛争は、国旗と自国の酒を置き合ったことから「ウイスキー戦争」と呼ばれた。2022年に引かれた世界最北の陸の国境まで。

スウェーデンでウイスキーを買える店は、国が100%所有する一社しかない。「利益の最大化も販売促進も使命ではない」と公式に書く酒屋の理屈と、ノルウェー・フィンランド・カナダの線引き、そして日本の売り場が自由になった経緯をたどる。

カナダ産と書かせて評判を落とそうとした思惑は、逆にこの一杯を「輸入物の高級酒」に変えた。禁酒法の密輸、女王の御用達、日本の水割り——カナディアンクラブが愛される理由をたどる。