
WHY THIS TASTE
アメリカンオーク(エックスバーボン)樽のみでじっくり熟成させた、クラシックレンジの土台となるノンエイジのシングルモルト。長くゆるやかな熟成が、蒸留所本来のやわらかくクリーミーで果実味に寄ったハウススタイルを素直に引き出す。バニラ・洋梨・シリアルの穏やかな甘みに、樽由来のほのかなトースト香が重なる。40度。日常に開けやすい価格と飲み口を両立させた入門の一本で、各種カスクフィニッシュ版すべての共通ベースとなる原酒でもある。

この味を生む蒸留所
グレンマレイ蒸留所スコットランド・スペイサイド、エルギンのロッシー川のほとりに立つ蒸留所である。もとはロバート・ソーン&サンズが営む「ウェスト・ブルワリー」で、1897年に蒸留所へ転換され、同年9月13日に最初の原酒が流れた。長く手頃な価格の良質なシングルモルトとして親しまれ、「エルギンのエメラルド」とも称される。2008年、グレンモーレンジィ社からフランスのラ・マルティニケーズ社へ売却された。同社はキャティサークやラベル5といったブレンドにもグレンマレイの原酒を用いる。シャルドネやシュナン・ブランの白ワイン樽でのフィニッシュを早くから手がけ、多彩な樽熟成の先駆けとなった。日常に寄り添う価格と品質を両立する、スペイサイドの良心的な造り手だ。
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グレンマレイGlen Moray
スコットランド・スペイサイド、エルギンのグレンモーレンジィ蒸溜所で1897年に旧醸造所を転用して創業したシングルモルト。軽やかで滑らかな味わいとフルーティーな香りが特徴で、シェリーやポート、ワイン樽など多彩なカスクフィニッシュ展開でも知られる。2008年よりフランスのラ・マルティニケーズが所有し、ブレンデッドウイスキーの原酒供給元としても重要な役割を担う。
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フランスはスコッチの輸出先として数量・金額とも世界2位。2024年の数量を人口で割ると、日本の4倍以上にあたる。食前酒という習慣、フランス企業が育てたブランド、そして自国で始まったウイスキーづくりまでを追う。

スコッチの蒸溜所では、働く人に勤務中のウイスキーが配られていた。盗み飲みを防ぐために始まったとされる「ドラミング」——一日三杯という量の実像と、1970年代に消えた理由、そしていま一本のボトルに残るその記憶をたどる。