
WHY THIS TASTE
オロロソ・シェリー樽で12年熟成、43度。10年より度数と樽の効きが一段増し、レーズンやイチジクのドライフルーツに、クリスマスケーキのようなスパイスとビターチョコの余韻が重なる。フルシェリー熟成・直火蒸留・家族経営という蒸留所の性格が最も分かりやすく出る定番で、世界的にコストパフォーマンスの高いシェリーモルトとして長く支持されてきた中核ボトル。

この味を生む蒸留所
グレンファークラス蒸留所スコットランド・スペイサイド、バリンダロッホに立つ、6世代続くグラント家が独立を守り抜く蒸留所である。1836年に免許を得て、1865年にジョン・グラントが取得して以来、一族が所有・経営を続ける数少ない独立系だ。仕込み水はベン・リネス山の湧水。最大の特徴は、スペイサイド最大級の6基のポットスチルをガスの直火で加熱する点で、直火が原酒に重みと厚みを与えると信じて守り続ける。熟成にはファーストフィルとリフィルの元オロロソシェリー樽を用い、伝統的なハイランド・モルトに濃厚なシェリーの個性を重ねる。「シェリーの巨匠」とも呼ばれ、長期熟成の年代物でも名高い、家族経営の雄だ。
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グレンファークラスGlenfarclas
1836年創業、スペイサイドのバリンダロッホに蒸溜所を構えるシングルモルト。1865年にジョン・グラント氏が買収して以来、6代にわたりグラント家が経営を続ける数少ない家族経営の独立蒸溜所として知られる。シェリー樽での熟成にこだわり、8年から40年まで幅広い熟成年数を展開。1968年には業界に先駆けてカスクストレングス製品「105」を発売した。
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グラスや瓶の底に、黒い粒や白いもやが見えることがある。正体は二系統に分かれる。白いものなら、温度を戻して消えるかどうかが決め手になる。飲んで大丈夫なのか、そして樽の沈殿物をあえて瓶に残すボトラーの話。

業界の排出の9割超は、燃料を燃やす炎から出る。ではその火を水素に替えたら、味はどうなるのか——山崎のパイロット蒸溜所で行われた実証と、日本とスコットランドの樽で眠り始めた原酒の話。

蒸溜したての酒は無色透明だ。では誰が最初に「樽で寝かせるとうまくなる」と気づいたのか。よく語られる密造者と徴税官の物語はどこまで本当なのか。伝説の出どころと、1822年の回想録、そして1915年の条文をたどる。

1890年代のスコッチ業界は建設ラッシュに沸き、10年で33の蒸溜所が生まれた。そのきっかけを断ったのは戦争でも禁酒法でもなく、リースにあった一社の破綻だった。1898年12月のパティソン恐慌と、いまも語られる鸚鵡の逸話の出どころをたどる。

同じ12年・同じ43%・近い価格帯で並ぶシェリーの二大定番。分かれ目は「オロロソ一本かPXを足すか」と「いまも直火で蒸留しているかどうか」。造りから選び分けを解く。

家ではボトルを立てろと言われるのに、熟成庫の樽はたいてい横倒し。向きが逆なのは、樽が「濡らして密閉する」器で、瓶が「濡らさないで守る」容器だから。鏡板という弱点と、1879年に特許になった棚の話。