ゴッドファーザーの作り方——スコッチとアマレット2本だけ。甘すぎずに仕上げる比率とベース選び
スコッチとアマレット、2本だけで作れるゴッドファーザー。同量・2:1・3:1と定番の比率が割れるこの一杯を、甘すぎずに仕上げるには。比率の選び方、甘さを締める数滴の煙、ベースのスコッチの選び方まで。
スコッチと、アマレット。必要なのはこの2本だけだ。シェイカーもいらないし、ジュースもシロップもいらない。氷を入れたグラスに注いで混ぜれば、それでゴッドファーザーは完成する。
ただしこの一杯には、長く「甘い」という評判がついてまわってきた。米国のカクテル誌『PUNCH』も、古典的なゴッドファーザーを「甘く、そのうえ強すぎる」と評している。裏を返せば、材料は2つのままでも、比率しだいで印象は大きく変えられるということだ。
この記事では、比率の選び方、ベースのスコッチの選び方、そして甘さを締める家庭向けのひと工夫をまとめる。
1970年代の一杯、名前の由来は諸説
ゴッドファーザーは1970年代に広まったカクテルだ。ディフォーズ・ガイドによれば、最も古い記録はブライアン・F・レアが1976年に出した『Brian's Booze Guide』にある。翌1977年に出たスタンリー・M・ジョーンズのバーガイドにも収められている。
名前は1972年公開の映画『ゴッドファーザー』にちなむ、というのが一般的な説明で、ディフォーズ・ガイドもそう書いている。一方でウィキペディアは「由来は不確か」とする。考案者を名乗り出た人物もいない。「マーロン・ブランドが愛飲した」という逸話も流布しているが、これはアマレットのメーカー側が語ってきたもので、裏付けのある話ではない。そういう伝説をまとった一杯だと思って楽しめばいい。
基本のレシピと、比率の選び方
材料(1杯分)
- スコッチ 60ml(ブレンデッドが扱いやすい)
- アマレット 20ml
- できるだけ大きな氷
- オレンジピール(あれば)
作り方
- オールドファッションドグラスを冷やしておく。
- 氷を入れる。溶けにくい氷ほど、最後まで味がぶれない。
- スコッチ、アマレットの順に注ぐ。
- バースプーンで10回ほど、静かに混ぜる。
- オレンジピールを絞りかけ、グラスに落とす。
面白いのは、この一杯に決まった比率がないことだ。ウィキペディアに載る基本形は各3.5cl(35ml)の同量。アマレットの代表銘柄ディサローノは2:1をすすめる。そして最古の記録である1976年のレシピは、スコッチ1.5オンスに対しアマレット1オンス——最初からスコッチ寄りだった。
ディフォーズ・ガイドは3:1を推し、「スコッチの角を取り、心地よいアーモンドの香りを添えるのにちょうどよい量」と説明する。同ガイドによれば、実際に使われている比率は1:1から8:1までと幅が広い。
まず3:1で作ってみて、甘みがもの足りなければ2:1へ、甘ったるく感じたら4:1へ。動かすのはバースプーン1〜2杯分だ。
なお、スコッチ60mlとアマレット20mlで純アルコールはおよそ23g(スコッチ40%、アマレット28%で計算。アマレットの度数は銘柄によって21〜28%ほどの幅がある)。数字のうえでは1杯でもしっかり効く一杯なので、時間をかけて飲みたい。
甘さを締める、数滴の煙
近年この一杯を作り直しているバーの手法は、共通してアマレットを減らす方向にある。『PUNCH』が伝えるところでは、ニューヨークのノマド・バーはアイリッシュウイスキーを軸にしつつ、スモーキーなアイラのスコッチをわずかに効かせて甘さを抑える。トスカ・カフェは、蜂蜜のようなブレンデッドにラガヴーリンを数滴だけ落とす。
家でも同じことができる。いつものブレンデッドで作り、最後にスモーキーなモルトを数滴。それでも物足りなければ、小さじ半分ほどまで増やす。それだけで、甘さの後ろに煙の芯が通る。

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