スモーキーなウイスキーのおすすめ10選——「ピートの強さ」で選ぶ、入門から極限まで
焚き火や磯、正露丸を思わせる独特のスモーク香。好き嫌いが分かれるピーテッドウイスキーを、煙の強さ別に10本厳選しました。おそるおそる試したい入門の一杯から、世界最強クラスの怪物まで、自分の「適量」が見つかるガイドです。
ウイスキーの世界でもっとも意見が割れるのが、この「スモーキー」なタイプだ。焚き火や磯、人によっては正露丸を思わせる香りは、一度ハマると抜け出せない中毒性がある一方、初めての人には強烈すぎることもある。
この記事では、スモーク香の源である「ピート」の強さを手がかりに、おそるおそる試したい入門の一杯から、世界最強クラスの「怪物」まで、おおむね煙の弱いものから順に10本を紹介する。最後には、視野を世界へ広げる一本も添えた。自分がどのくらいの煙まで心地よく感じられるか——その適量を探す地図として使ってほしい。なお、スモーキーさが生まれる仕組みそのものはなぜウイスキーはスモーキーになるのかで詳しく解説している。
ピートの強さは「ppm」が目安。ただし数字がすべてではない
ピートを焚いて乾かした麦芽には、煙由来の香気成分「フェノール」が移る。その量をppmで表すのが、スモーキーさのおおまかな目安だ。ラガヴーリンやカリラで約35ppm、ラフロイグで40〜45ppm、アードベッグは50〜55ppmと、アイラの定番銘柄のなかでは随一とされる。さらに桁違いなのがブルイックラディの「オクトモア」で、エディションによっては150ppmを大きく超え、過去には300ppm前後に達したものもある。
ただしppmはあくまで「麦芽に乗った値」であって、瓶に詰まった液体の飲み口の強さと必ずしも一致しない。発酵や蒸留、熟成の過程で角は取れていき、同じ35ppmでもカリラはラガヴーリンよりずっと穏やかに感じられる。数字は入口の参考にとどめ、最後は自分の舌で確かめるのが正解だ。
まず試したい、入門の一杯
いきなりアイラの猛者に挑むより、磯の香りとスパイスがバランスよくまとまった一本から始めたい。スカイ島のタリスカーは、黒胡椒のようなピリッとした刺激と適度なスモークが持ち味で、「スモーキー入門の定番」としてよく挙がる。ここを起点に、少しずつ煙の濃い銘柄へ進んでいこう。
アイラの王道を知る
スモーキーの本場・アイラ島を代表する銘柄は、避けて通れない。ラフロイグ10年は、ヨードや正露丸とも評される強烈な磯の香りが身上。その香りをさらに凝縮したいなら、小さな樽で追加熟成し度数を高めたクォーターカスクが濃厚だ。ラガヴーリン16年は、濃い煙を長期熟成由来のまろやかな甘みが包み込む傑作。アードベッグ10年は、煙の奥にレモンやバニラが覗く緻密な構成で、世界中に熱狂的なファンを持つ。薬品的な香りがなぜ生まれるのかはも参考にしてほしい。
このコラムの関連
関連するボトル

次に読む

ボイラーメーカーとは何か——ビールとウイスキーを「並べて飲む」一杯は、なぜ世界中の酒場にあるのか
ウイスキーのショットとビールを組み合わせる「ボイラーメーカー」。名前が定着したのは1930〜40年代のアメリカ。同じように混ぜずに並べる飲み方は、スコットランドの「ハーフ・アンド・ア・ハーフ」やフィラデルフィアの「シティワイド」など各地にある。歴史と合わせ方を整理する。

なぜハイボールは唐揚げに合うのか——「炭酸が脂を流す」は本当か。渋みと脂の「綱引き」から読み解く
唐揚げにハイボールが合う理由は「炭酸が脂を洗い流すから」とよく言われる。だが、それを直接確かめた研究は見当たらない。確かめられているのは、渋みが脂のぬるっとした感覚を打ち消すこと。炭酸・度数・苦み・冷たさから、あの相性を分解する。














