Glendalough
アイルランド東部ウィックロー山地、氷河が刻んだ谷「グレンダロー(=二つの湖の谷)」に立つ、アイルランド最古級のクラフト蒸留所である。6世紀に聖ケヴィンが開いた修道院集落で名高いこの地で、5人の友人が2011年に創業した。2013年にポッチンの販売を始め、2014年に蒸留所が正式開業した。ポッチンはアイリッシュ・ウイスキーの父とも呼ばれる古い蒸留酒で、6世紀の修道士が「命の水(ウシュケ・バハ)」として造ったのが起源。麦芽と清冽な湧水で3回蒸留する。ウィックロー山地の初摘みアイリッシュオーク樽で仕上げるシングルモルトや、世界初のミズナラ樽熟成アイリッシュなど、革新的な樽使いで知られる。
古の蒸留酒ポッチンは、6世紀の修道士が「命の水」として造ったアイリッシュ・ウイスキーの父とされる。グレンダローのポッチンは、麦芽と清らかな湧水を用い、伝統的な銅製ポットスチルで3回蒸留し55%で瓶詰めする。シングルモルトは、ウィックロー山地で伐採した木の初摘みアイリッシュオーク樽で仕上げ、各ボトルに樽と伐採した木の番号を刻む。革新的な樽使いが、個性豊かな酒質を生む。
グレンダロー・アイリッシュ・ウイスキー・カンパニーは、ケヴィン・キーナン、ゲイリー・マクロクリンら5人の友人によって2011年に創業された。アイルランドのクラフト蒸留の伝統を復興させたいという情熱を分かち合った仲間たちだ。蒸留所の名は、6世紀に聖ケヴィンが修道院集落を開いた景勝地グレンダロー(ゲール語で「二つの湖の谷」)に由来する。2013年にポッチンの販売を始め、2014年5月にグレンダローの谷で蒸留所が正式に開業した。
蒸留所はダブリンから南へ1時間ほど、ウィックロー山地の氷河が刻んだ細長い谷に立つ。清冽な湧水と山地の冷涼な気候が、造りと熟成の背景となる。近隣のウィックロー山地に育つアイリッシュオークは、温暖な気候ゆえアメリカ産や欧州産より速く育ち、豊かなオークの香味を短期間でウイスキーに与える。6世紀の修道院集落で名高いこの景勝の地そのものが、ブランドの歴史とロマンの源泉となっている。
7年・13年のシングルモルトを核に、世界初となる日本のミズナラ樽で熟成したシングルモルト(柑橘・ダークチョコ・白檀の香り)や、アイリッシュオークで仕上げた各種を展開する。ポッチンやジンも手がけ、革新的な樽使いと古い蒸留文化の再興を両立させた、クラフトの旗手だ。


この蒸留所が属する地域
禁酒法や英愛貿易戦争などを経て20世紀に大きく衰退したが、「アイリッシュウイスキーの父」と呼ばれる再興を経て2020年代には蒸留所数が40を超えるまでに回復した。多くは単式蒸留器で3回蒸留する伝統製法を用い、ノンピートの大麦を使うためスコッチに比べて軽やかでまろやかな味わいになりやすい。
アイルランドを深掘りする →地理ではなく味わいで繋がる、別の産地の蒸留所。