
Osuzuyama
焼酎の名門・黒木本店が宮崎の尾鈴山塊の山中に営む蒸溜所である。1998年、先代がスコットランドのエドラダワーに感銘を受けて開設し、当初は「山ねこ」などの焼酎を造っていた。2019年11月、次男の黒木信作のもとでウイスキー造りが始まる。麦芽を手作業で製造するボックスモルティング、初留に焼酎用スチルを使う独自方式、宮崎杉の発酵槽と桜・杉・栗の樽——原料も木材もすべて九州産にこだわる。年間降水量3000ミリの水の郷が生む、テロワールの一杯だ。
麦芽は「ボックスモルティング」と呼ぶ独自の手作業で製造する。初留は焼酎用のスチル、再留は銅製スチルという独特の方式を採り、原料はすべて九州産で揃える。発酵槽には宮崎県産の杉を、樽にはアメリカンオークに加え桜・杉・栗を用い、木材への徹底したこだわりが個性を生む。
黒木本店は「百年の孤独」「㐂六」「中々」で知られる宮崎の本格焼酎メーカーである。1998年、先代社長がスコットランドのエドラダワー蒸留所に感銘を受け、尾鈴山塊の山中に尾鈴山蒸留所を開設。当初は「山ねこ」「山猿」などの焼酎を造っていたが、2019年11月、次男の黒木信作を中心にウイスキー造り(OSUZU MALT)を開始した。
蒸留所は尾鈴山塊の山中、水源に囲まれた地に立つ。川の上流、水源に近い場所から仕込み水を引き、年間降水量は3000ミリに達する水の豊かな環境である。山深い立地の冷涼な空気が、熟成をゆっくりと進める。
「OSUZU MALT」シリーズやニューメイクをリリースし、日本のテロワールを凝縮した造りとして注目される。焼酎蔵ならではの発想が、独自の香味を切り拓いている。

この蒸留所が属する地域
1923年、鳥井信治郎が山崎蒸溜所を開設したのが日本ウイスキーの始まり。技師として招かれた竹鶴政孝は後にニッカウヰスキーを設立し余市蒸溜所を開いた。スコッチの製法を土台にしながらも、繊細な水質と四季の寒暖差を生かした独自のスタイルを確立し、2000年代以降は国際コンペティションでの受賞を機に世界的な評価を得ている。
日本を深掘りする →地理ではなく味わいで繋がる、別の産地の蒸留所。