
Yasato
筑波山の麓、茨城県石岡市八郷地区に立つ木内酒造の蒸溜所である。1823年創業、清酒「菊盛」や「常陸野ネストビール」で知られる同社が、2016年に額田で蒸留を始め、2020年に元公民館を改修した八郷蒸溜所を稼働させた。ビール造りの知見を生かした糖化・濾過分離のドイツ製設備で、大麦のほか蕎麦や米も原料に用いる。木製・ステンレス各4基の発酵槽と自社培養酵母が個性を生む。「日の丸ウイスキー」を掲げる、醸造の総合力を映す造り手だ。
糖化槽と濾過器が分かれたドイツ製タンクを用い、ビール造りの知見を生かす。大麦のほか蕎麦や米など複数の原料を使い、マッシュタンと濾過層を分けて原料ごとの糖化温度を管理するのが特徴だ。発酵槽は木製・ステンレス製それぞれ4基を備え、タンクで培養した自社オリジナル酵母を用いて複雑な香味を引き出す。
木内酒造は1823年、木内儀兵衛が創業した茨城の老舗蔵で、清酒「菊盛」をはじめ焼酎・リキュール・ワインを手がけ、1996年からは「常陸野ネストビール」を展開してきた。2016年に額田醸造所でウイスキー免許を取得して蒸留を開始し、2019年に石岡市で新免許を取得、元公民館を改修した八郷蒸溜所を建て2020年に蒸留を始めた。2022年には「日の丸ウイスキー」ブランドを立ち上げた。
八郷蒸溜所は筑波山の麓、石岡市八郷地区に位置する。筑波山系の水と、内陸性の寒暖差のある気候が熟成を支える。かつての公民館を再生した建物が、地域に根ざした造りの姿勢を象徴する。
「日の丸ウイスキー」を旗印に、シングルモルトやブレンデッドを展開。「SIGNATURE 1823」など、創業年を冠したボトルに醸造の総合力が結実している。

この蒸留所が属する地域
1923年、鳥井信治郎が山崎蒸溜所を開設したのが日本ウイスキーの始まり。技師として招かれた竹鶴政孝は後にニッカウヰスキーを設立し余市蒸溜所を開いた。スコッチの製法を土台にしながらも、繊細な水質と四季の寒暖差を生かした独自のスタイルを確立し、2000年代以降は国際コンペティションでの受賞を機に世界的な評価を得ている。
日本を深掘りする →地理ではなく味わいで繋がる、別の産地の蒸留所。