
WHY THIS TASTE
1910年に確立された、40種類を超えるモルト・グレーンウイスキーをブレンドするレシピにより、ヘザーハニーのような上品なフローラルさとミルクチョコレートの甘みが調和した味わいになる。

この味を生む蒸留所
ミルトンダフ蒸留所スコットランド・スペイサイド、エルギン近郊に立つ、ブレンデッド「バランタイン」の中核を担う蒸留所である。かつてこの地にあったプラスカーデン修道院の製粉所の跡地に建てられ、良質な水が湧く土地として選ばれた。密造が盛んだった土地でもあり、ダフ家がこの地を得たのち、1824年に蒸留所が築かれて「ミルトンダフ」の名が生まれた。1936年にカナダの蒸留業者ハイラム・ウォーカーが取得し、スコットランド事業拡大の礎とした。1964年には一対のローモンド式スチルを導入し、「モスタウィー」という別銘柄の原酒を1981年まで造った。現在はシーバス・ブラザーズが所有し、バランタインの重要な構成原酒を生む、由緒ある造り手だ。
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バランタインBallantine's
1827年、エディンバラの農家の息子ジョージ・バランタインが開いた食料品店から始まったスコッチブランド。ミルトンダフとグレンバーギーの原酒を「フィンガープリント・モルト」として核に据え、グレントファースなど50種以上のモルト・グレーン原酒を組み合わせる。1937年にハイラム・ウォーカーが買収して国際展開を本格化させ、2005年からはペルノ・リカール(シーバス・ブラザーズ)傘下。
上記3蒸留所(フィンガープリント・モルト)に加え、50種以上のモルト・グレーンウイスキーをブレンド。全構成比は非公開。
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スコッチの定義は英国の法令にある。だが条文が差止めを申し立てられる者として固有名詞で名指ししているのは、役所ではなく一つの民間団体だ。生産量の97%を代表するその協会は、国境の外でも各国の法廷に立ち続けている。

ブレンデッドの工程表には、混ぜたあとにもう一枠ある。樽や槽で寝かせる「マリッジ」だ。デュワーズが看板に掲げる二度の熟成から、現行の機器では捉えきれていない変化まで。

週に1,500のサンプルを嗅いで、口にするのは1つ——あるブレンダーはそう語る。20〜30%まで薄めて鼻で裁く造り手の流儀を、シーバスブラザーズ、サントリー、フォアローゼズら本人たちの証言からたどる。

スコットランドでは、持ち帰り用の酒を売れる時間が法律で10時〜22時に限られている。夜の端は1853年の法律以来ほぼ動いていないが、朝の端は長く8時だったものを2005年の新法が2時間繰り下げた、新しい線だった。

棚の飲みかけを2本混ぜたら、どうなるのか。そしてそれは法律上ゆるされるのか。酒税法の条文をたどると、ウイスキー同士・水や炭酸・品目の違う酒で、根拠になる条文が違うと分かる。家でブレンドを試す手順と、味の見当のつけ方まで。

2019年、米国はEUの航空機補助金への報復として、シングルモルトのスコッチに25%の関税をかけた。同じ棚のブレンデッドは対象外。2026年7月に税はゼロへ戻ったが、棚の値段はおそらく動かない。その理由をたどる。