
WHY THIS TASTE
穀倉地帯イーストロージアンに位置するローランド蒸留所らしく、切り花やオレンジブロッサムを思わせる軽やかでフローラルな香りが特徴。ピートをほとんど使わず、リフィルのバーボン樽中心の熟成で穏やかな味わいに仕上げている。

この味を生む蒸留所
グレンキンチー蒸留所スコットランド・ローランド、東ロージアンのペンケイトランド近郊に立つ蒸留所である。1825年、農夫ジョンとジョージのレイト兄弟が「ミルトン蒸留所」として興し、1837年に免許を得て「グレンキンチー」と改名した。名は、谷を流れるキンチー・バーン(かつて土地を所有した「ド・キンシー」に由来する川)にちなむ。エディンバラから約15マイルの、大麦畑の広がる穏やかな谷にある。仕込み水はラマーミュア丘陵の貯水池から引き、わずかに石灰質を含むため、ローランドらしい酒質をよりドライに仕上げる。1998年にディアジオの「クラシック・モルト」のローランド代表に選ばれ、近年はジョニーウォーカーの「四つの故郷」のローランドの拠点も担う、ローランドの名代だ。
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グレンキンチーGlenkinchie
スコットランド・ローランド地方、イースト・ロージアンのグレンキンチー蒸溜所が生み出すシングルモルト。1837年にレイト兄弟が創業。業界最大級のウォッシュスチルと伝統的な鋳鉄製ワームタブを用いる。1988年にディアジオの「クラシック・モルト」シリーズでローランドを代表する銘柄に選出された。ワイルドフラワーやレモンピールを思わせる、上品でフローラル、爽やかな味わいが特徴。
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18世紀の末から19世紀の初め、ローランドには1回の蒸溜を3分で終えた蒸溜所があった。税額が造った酒の量ではなく「スチルの容量」で決まったため、造り手は浅く広い皿のようなスチルを回し続けた。制度が酒の形を変えた記録。

一本ずつ飲んでも違いは言葉にならない。二つのグラスを並べ、変える条件をひとつだけに絞ると差がはっきり立ち上がる。ピート・樽・新樽と中古樽・加水・ブレンドとその指紋——家でできる5つの組み合わせ。

酒屋やバーで見かける6本組の「クラシックモルト」。これは人気銘柄を寄せ集めたセットではなく、1988年に「産地の代表」として選ばれた6本です。選ばれた背景と顔ぶれ、法律上の5産地とのズレ、いま順に飲む価値までを辿ります。

スコッチ5大産地でいちばん語られない「ローランド」。法律の条文で引かれた境界線、青りんごのような軽やかさの理由、「三回蒸留の産地」という通説の実際、二軒まで減って20軒超に甦った復活劇、そして最初の一本の選び方まで。

ハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラ、キャンベルタウン。スコッチはなぜこの5つに区分されるのか。じつはこれは法律で定められた地理的な線引きであって、味の保証書ではない。区分が生まれた背景と、「産地=味」という思い込みの落とし穴を読み解く。