
WHY THIS TASTE
蒸溜所名を冠したフラッグシップで、1999年の蒸溜所改名にあわせて登場した比較的新しい銘柄。イーグルレア、E.H.テイラー、ジョージT.スタッグと同じ低ライ麦のマッシュビル#1を使い、19世紀末に建てられた煉瓦造りの倉庫群で熟成させる。年数は非表記で、45度(90プルーフ)という穏やかな瓶詰め度数と低ライ麦ゆえに、トウモロコシ由来のキャラメルとバニラが素直に前へ出る。同じレシピの兄弟銘柄が長熟・高度数へ振れていくなかで、本品はその基準点として置かれている。

この味を生む蒸留所
バッファロートレース蒸留所ケンタッキー州フランクフォート、オハイオ川に注ぐケンタッキー川のほとりに立つ、アメリカ最古級の稼働蒸留所である。かつてバッファローが川を渡った「けもの道(トレース)」に由来する名を持ち、1992年からサザラック社が所有する。同社は1999年に旗艦銘柄バッファロートレースを投入し、保存されてきた地の利・設備・熟成在庫を長期戦略の中核へと押し上げた。川岸に湧く石灰岩の泉水と、直径84インチという全米最大級の連続式蒸留器を擁し、基本3種のマッシュビルを使い分ける。パピー・ヴァン・ウィンクルやジョージ・T・スタッグなど、世界が熱狂するカルト銘柄を数多く生む聖地であり、バーボン愛好家にとって特別な巡礼地となっている。
蒸留所の詳細を見る →このボトルのブランド
バッファロートレースBuffalo Trace
米国ケンタッキー州フランクフォートにあるバッファロートレース蒸溜所の看板銘柄であるストレートバーボンウイスキー。同蒸溜所はかつてジョージ・T・スタッグ蒸溜所やO.F.C.蒸溜所と呼ばれ、200年以上の歴史を持つ全米史跡に指定された名門蒸溜所。銘柄名はケンタッキー川を渡っていた古代バイソンの獣道「バッファロー・トレース」に由来し、1999年に発売された。1992年にサゼラック・カンパニーが蒸溜所を買収して以降、伝統と最新設備を融合させたバーボン造りで高く評価されている。
このブランドの他のボトルを見る →
バッファロートレースやイーグルレアを束ねる企業名「サゼラック」は、バーで頼むカクテルの名でもある。コニャックの銘柄から酒場、カクテル、企業へ。指すものを入れ替え、グラスの中身まで二度替えて生き延びた一語の話。

NASCARの起源は密造ウイスキーの運び屋にある——出来すぎたこの伝説を、誇張だと証明するつもりで調べ始めた歴史家がいた。彼が行き着いた結論と、1938年のダートコースから始まる、酒と税と車の話。

ケンタッキーのバーボンは、空調も断熱もない7階建ての木造倉庫で眠る。2018年、その一棟が12日を置いて二度崩れ、計1万8,000樽が落ちた。それでも新しい熟成庫が木で建てられ続けるのはなぜか。

スコッチウイスキー規則2009とアメリカ連邦規則5.143条を一行ずつ並べて読むと、熟成年数も樽も添加物の可否も、通説とは違う場所に線が引かれていました。「何も足すな」と厳しく書かれているのは、じつはバーボンのほうです。

酒税を取りこぼさないため、アメリカは蒸溜所に検定官を常駐させた。ところが1875年、その役人こそが造り手と組んで税を消していたことが発覚する。238人が起訴された「ウイスキー・リング」と、大西洋を挟んだもう一つの答え。

蒸溜したての酒は無色透明だ。では誰が最初に「樽で寝かせるとうまくなる」と気づいたのか。よく語られる密造者と徴税官の物語はどこまで本当なのか。伝説の出どころと、1822年の回想録、そして1915年の条文をたどる。