WHY THIS TASTE
秩父蒸溜所2005年蒸留のザ・ファースト・シリーズから10年熟成を迎えたリリース。カスクストレングス級の50.5%。

この味を生む蒸留所
秩父蒸溜所埼玉県秩父市の小高い丘の上に立つ、ベンチャーウイスキー社の蒸溜所である。2008年2月、創業者・肥土伊知郎が稼働させた。肥土は、羽生蒸溜所を営んだ祖父を持ち、大手酒類メーカーでの営業職を経て家業に入ったが、羽生の経営悪化で生産停止に追い込まれた。行き場を失った原酒樽を自ら引き取り、独自のウッドフィニッシュを施して売り出したのが「イチローズモルト」の始まりだ。秩父市街から車で30分、夏は高温多湿、冬は氷点下という寒暖差の激しい環境が熟成に強い影響を与える。国内でも珍しく自社でミズナラ樽を製造する工房を持ち、年間200樽を自ら仕立てる。世界的な評価を得た、日本クラフトウイスキーの先駆けだ。
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秩父Chichibu
埼玉県秩父市の秩父蒸溜所(ベンチャーウイスキー)が生み出すシングルモルトウイスキー。2007年、東亜酒造創業家出身の肥土伊知郎氏が設立し、2008年から蒸溜を開始した。小型の粉砕機や糖化槽、ミズナラ材の発酵槽、スコットランド製ポットスチルを用いた手づくりの生産が特徴。日本ウイスキーの消費が落ち込んでいた時代に高い評価を獲得し、現在のジャパニーズウイスキーブームやクラフト蒸溜所ブームの火付け役となった。
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廃棄寸前だった羽生蒸溜所の400樽から始まったイチローズモルト。トランプのカードシリーズが日本産ウイスキーの最高額記録を打ち立て、秩父の小さな蒸溜所が世界を魅了するまでの物語と造りの秘密を読み解く。

十年前は指を折って数えられるほどだった日本の蒸留所が、いまや計画中を含め120超。看板商品が出せるまで何年も待たされる酒に、なぜこれほど多くの人が挑むのか。数字・制度・資金繰りの知恵、そして始まりつつある淘汰まで読み解く。