
WHY THIS TASTE
バッファロートレースの低ライ麦マッシュビル#1を、最低10年熟成させて90プルーフ(45度)で瓶詰めするコアボトル。同じレシピで年数表記のないバッファロートレースより長く樽で寝かせるぶん、キャラメルやトフィーの甘みにオークの渋みと革のような熟成感が加わる。ライ麦の比率が低いレシピゆえスパイスは穏やかで、甘みと樽香の均衡が取りやすい。両者の違いは、まさにこの10年という熟成期間にある。

この味を生む蒸留所
バッファロートレース蒸留所ケンタッキー州フランクフォート、オハイオ川に注ぐケンタッキー川のほとりに立つ、アメリカ最古級の稼働蒸留所である。かつてバッファローが川を渡った「けもの道(トレース)」に由来する名を持ち、1992年からサザラック社が所有する。同社は1999年に旗艦銘柄バッファロートレースを投入し、保存されてきた地の利・設備・熟成在庫を長期戦略の中核へと押し上げた。川岸に湧く石灰岩の泉水と、直径84インチという全米最大級の連続式蒸留器を擁し、基本3種のマッシュビルを使い分ける。パピー・ヴァン・ウィンクルやジョージ・T・スタッグなど、世界が熱狂するカルト銘柄を数多く生む聖地であり、バーボン愛好家にとって特別な巡礼地となっている。
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イーグルレアEagle Rare
米ケンタッキー州のバッファロー・トレース蒸留所で造られるバーボンウイスキーで、サゼラック・カンパニーが手がけるブランド。1975年に発売され、90プルーフで10年・12年・17年熟成などがラインナップされる。バッファロー・トレース・アンティークコレクションにも名を連ねる銘柄で、トフィーやオレンジピール、蜂蜜、オークを思わせる複雑な香味と、力強くドライでコクのある味わいが特徴とされる。
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バッファロートレースやイーグルレアを束ねる企業名「サゼラック」は、バーで頼むカクテルの名でもある。コニャックの銘柄から酒場、カクテル、企業へ。指すものを入れ替え、グラスの中身まで二度替えて生き延びた一語の話。

パピー、ブラントン、ウェラー、イーグルレア——憧れのバーボンの多くが、ケンタッキーのたった一つの蒸溜所から生まれる。その理由を、蒸溜所の歴史と「マッシュビルの造り分け」から読み解く。

バーボンは法律で「新品の焦がしオーク樽」での熟成が義務づけられ、樽は一度きりの使い捨て。この一見不合理なルールが、じつは世界中のスコッチやジャパニーズの味を支えている。その理由を法規と樽の経済史からひもとく。